日本書籍の海外展開を加速する翻訳助成事業
特定非営利活動法人「映像産業振興機構」(通称VIPO)が、令和7年度文化庁の「活字文化のグローバル展開推進事業」に基づき、日本の書籍を海外に展開するための翻訳助成事業の成果を発表しました。この取り組みは、日本の豊かな活字文化を海外に普及させる重要な一歩とされています。
申請の状況について
今回の公募には、合計320件の申請がありました。具体的には、188冊の書籍に対して、企画書を含む翻訳・作成の申請167件、サンプル翻訳に関する申請153件がありました。また、審査委員会の結果、115冊の書籍が採択され、135件の申請が認められることが決定しました。その内訳は、企画書の翻訳・作成が106件、サンプルの翻訳が29件となっています。
採択された事業者
採択された事業者は38社に及び、多くの出版社が名を連ねております。具体的には、講談社や集英社など、著名な書籍出版のリーディングカンパニーが多く含まれています。これにより、日本書籍のフィクションからノンフィクションまで、幅広いジャンルでの翻訳が進められることが期待されています。
ジャンル別の採択状況
採択された115冊の書籍のジャンル内訳は以下のとおりです。
- - 文芸作品:42冊
- - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド:20冊
- - 絵本・児童書:17冊
- - SF・ホラー・ファンタジー:7冊
- - アート・建築・デザイン:6冊
- - 趣味・実用:5冊
- - エッセイ・随筆:4冊
- - 人文社会科学(歴史・地理、政治・社会など):3冊
- - 恋愛・ロマンス:3冊
- - 生活・健康・料理:2冊
- - ノンフィクション:2冊
- - ビジネス・経済:1冊
- - 経済・社会小説:1冊
- - その他:2冊
このように、多様なジャンルから選ばれた書籍が国を越えて語られることで、国際間の文化交流が深まることが期待されています。
文化庁の取り組み
文化庁では、日本の活字文化をさらに広く海外へ伝えるため、翻訳家の発掘・育成と共に、出版業界の海外展開を促進する様々な活動を展開しています。また、世界中の文学関係者に対し、日本の活字文化をより理解させるための支援を行っています。
この翻訳助成事業が成功することで、日本の魅力的な文学作品がグローバルに認知されることを願っています。翻訳者や出版業界の方々にとって、新たなビジネスチャンスとなることでしょう。
お問い合わせ先
詳しい情報や支援内容についての問い合わせは、VIPOの「活字文化のグローバル展開推進事業」事務局までお気軽にご連絡ください。メールでのお問い合わせは、件名に「問い合わせ:活字文化助成事業」とご記入ください。
この事業を通じて、日本の書籍が海外でも愛され、多くの人々に届けられることを心より期待しています。