芦沢央の新作
2025-06-12 05:12:24

直木賞候補作『嘘と隣人』、芦沢央の新たな挑戦が話題に!

芦沢央の新作連作短編集『嘘と隣人』が直木賞候補に



2025年4月23日、株式会社文藝春秋から刊行された芦沢央の連作短編集『嘘と隣人』が、第173回直木三十五賞にノミネートされました。ミステリー界の人気作家として知られる彼は、イヤミス(イヤなミステリー)の名手として多くのファンに支持されています。⠀

本作は、驚愕のストーリーテリングと巧妙などんでん返しが際立つ作品です。発売直後から、テレビ番組「王様のブランチ」などで取り上げられ、注目を集めています。これまでに直木賞にノミネートされたのは第164回の『汚れた手をそこで拭かない』に続き、2度目となります。選考会は7月16日に都内で行われる予定です。

著者の意図と作品のテーマ


芦沢氏は『嘘と隣人』の執筆を始めたきっかけについて、「現代社会では“正しさ”が変わり続けるため、倫理観を見直さなければならない状況が増えてきた」と語りました。定年後の元刑事を主人公に据え、彼がかつて捜査した事件に再び向き合う様子を描いています。

書き進めるうちに、主人公が現在進行中の事件に巻き込まれていく様子を通じて、「今の彼ならどう行動するか」を探求しました。元刑事の平良正太郎は捜査権を失った後も、彼独自の観察眼を駆使して周囲の人々の心理に迫っていきます。ストーリーは、他者の悪意が暴かれる瞬間に照らし出される人間心理の深淵に迫ります。

『嘘と隣人』の内容


この短編集には、ストーカー化した元パートナーやマタハラの問題、さらにはSNSでの誹謗中傷など、現代社会のさまざまな問題が織り交ぜられています。平良の穏やかな日常が突如として脅かされていく様子は、リアルで身近に感じられることでしょう。

彼が捜査権を失いながらも、過去の記憶に導かれ、どのように事件を解き明かしていくのか、それが物語の大きな見どころです。読者は、平良が直面する不安と葛藤を通じて、彼自身の成長と洞察を目にすることができるでしょう。

第1話と第2話の試し読み


本作の第1話「かくれんぼ」と第2話「アイランドキッチン」の冒頭部分が無料で公開されているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。特に第1話では、平良が娘のママ友に急に声をかけられる場面が描かれており、彼の日常に潜む緊張感が伝わります。 第2話では、家庭菜園を始めようと考えていた平良が過去の捜査が色濃く残るマンションの物件案内を見て記憶が蘇る様子が描かれ、非常に興味深い導入になっています。

著者プロフィール


芦沢央は1984年に東京で生まれ、2012年に『罪の余白』で作家デビューを果たしました。以来、数々の受賞歴を持ち、特にミステリー小説での実績が際立っています。2022年には『神の悪手』で将棋ペンクラブ大賞優秀賞を受賞。2023年には『夜の道標』で日本推理作家協会賞を受賞しています。

書誌情報



ミステリーファンはもちろん、現代社会の問題に興味がある方にもぜひ読み進めてほしい作品です。


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