ミリアム・テイヴズの新作『ウーマン・トーキング』が日本に上陸
2025年5月23日、株式会社KADOKAWAから『ウーマン・トーキング ある教団の事件と彼女たちの選択』(著:ミリアム・テイヴズ、訳:鴻巣友季子)が発売されました。この作品は、NHK Eテレの「100分de名著」で話題を呼んでいるカナダの作家マーガレット・アトウッドが絶賛していることでも注目を集めています。
あらすじ
物語は、キリスト教系団体メノナイトの村で実際に起きた衝撃的な事件を元にしたサスペンスです。村では、女性たちが大量の暴行に遭い、その真実が「悪魔の仕業」などとの噂に隠されています。歳の若い被害者はなんと3歳。女性たちは、自らの未来を守るために、果敢に立ち上がることを余儀なくされます。彼女たちの選択は、何もしないことか、闘うことか、村を離れることか。女たちの会議、いわゆる「ウーマン・トーキング」が始まります。この物語は、アトウッドが「必読」とまで評した作品であり、実際の事件を背景に、普遍的なテーマを掘り下げています。
今すぐ読むべき理由
理由1: アトウッドの絶賛を受けた作品
著名な作家マーガレット・アトウッドが本書を推奨しており、特に「この小説は驚異的で悲しく、心を打つ」と述べています。彼女が推す本作を読めば、現在の女性文学の潮流も感じ取ることができるでしょう。
理由2: 実際の事件に基づくサスペンス
本書の背景には、ボリビアにあるメノナイトの宗教コロニーで実際に起きた連続暴行事件があります。著者のミリアム・テイヴズは、メノナイト信徒の両親を持つため、彼女の視点から描かれる信仰や価値観は、安易に片付けられるものではありません。人間関係における根本的なテーマも扱われており、男女間の問題に対する新たなアプローチが提示されています。
理由3: 「生まれつき翻訳」という新しい概念
本作は「生まれつき翻訳」としても知られており、語り手が男性であることで新しい視点を提供しています。女性たちは教育を受けず、物語は語り部の男性によって翻訳される設定。こうすることで、私たち読者は彼女たちの世界に深く入ることができ、異なる価値観を理解することができます。
理由4: アカデミー賞受賞映画の原作
本作は第95回アカデミー賞脚色賞を受賞した映画「ウーマン・トーキング私たちの選択」の原作にもなっています。映画とは異なる要素も含まれており、著者の詳細や出生の秘密など、映画では描かれなかった重要な部分を小説で確認することもできます。詳細を理解することで、映画に対する印象も変わることでしょう。
最後に
ミリアム・テイヴズの『ウーマン・トーキング』は、今のフェミニズムの潮流の中でも重要な位置を占める作品と言えるでしょう。心に深く残るテーマが多数盛り込まれており、ぜひ一度手に取ってみてください。読み終えた後には、多くの発見があることでしょう。
書誌情報
- - 書名: 『ウーマン・トーキング ある教団の事件と彼女たちの選択』
- - 著者: ミリアム・テイヴズ
- - 訳者: 鴻巣友季子
- - 発売日: 2025年5月23日(金)
- - 定価: 1,518円(本体1,380円+税)
- - 判型: 文庫判
- - ページ数: 288ページ
- - ISBN: 978-4-04-114743-6
この本によって、私たちは新たな視点や理解を得ることができ、また異なる文化や価値観について考えるきっかけになるでしょう。