誰もが楽しめる盆栽の世界
日本における唯一の「種木屋」として知られる塩津植物研究所が、盆栽ファンや植物愛好者のために新たに発表した書籍『盆栽ごよみ365日』。この本は、奈良県橿原市で営まれる塩津夫妻の知識と経験をもとに、盆栽やその背景にある植物の深い魅力を解き明かしています。
種木とは何か
まず、「種木」という言葉に触れましょう。これは盆栽になる前の草木を指し、塩津植物研究所では、これを中心に約200品目、300種類以上の植物が紹介されています。実生や挿木、取木といった様々な園芸技法が駆使され、これらの植物は一貫して盆栽への仕立て上げが行われています。
身近な植物の魅力
本書では、サクラやケヤキ、イチョウ、マツなど、私たちの生活の中で身近に出会うことのできる草木を中心にしています。これにより、盆栽が特別な存在ではなく、日常の中で気軽に楽しめるものだというメッセージが込められています。著者は、格式高いイメージのある盆栽をモダンでカジュアルに楽しむ方法を提案しています。
盆栽道具の魅力
また、盆栽を楽しむには適切な道具も欠かせません。著書では如雨露や剪定鋏、選り抜かれた鉢など、盆栽道具の数々も紹介されています。これらの道具は、盆栽を育てる際に欠かせないだけでなく、見た目の美しさでも本書を豊かに彩っています。
生活の提案
塩津植物研究所は、単に盆栽の技術や知識を提供するだけでなく、植物を通してより良い生活スタイルを提案します。花や草木、鉢や器を身近に置くことで、日常に盆栽を取り入れる楽しさを感じてもらいたいという願いが込められています。特に初心者でも気軽に楽しめる内容が特徴です。
雑誌『フローリスト』とのコラボ
本書は、雑誌『フローリスト』での人気連載「草木育種」を基にしており、新たに加筆することで、より深く、充実した内容に仕上げられています。このように、多くの人に親しまれるような草木の知識を広める一冊となることを目指しています。
著者プロフィール
塩津植物研究所は2010年に設立され、『草木ノ駆け込み寺』として名を馳せています。草木の生産や培養、治療に関心を持ち、多くの人々に植物とのより良い関係を築いてもらうための活動を行っています。また、名古屋芸術大学で講師を務めるなど、教育の面でも貢献しています。
書籍詳細
- - 書名:『盆栽ごよみ365日』
- - 著者:塩津植物研究所
- - 仕様:四六変判、384ページ
- - 定価:2,420円(税込)
- - 発売日:2025年6月11日
- - ISBN:978-4-416-62371-8
『盆栽ごよみ365日』は、研ぎ澄まされた感性と実用的な情報を融合した、まさに盆栽文化の新しい扉を開く一冊。ぜひ手に取って、その魅力を深く感じてみてください。