Z世代が語る案件動画のリアルな受け止め方
最近、Z世代を中心に話題を呼んでいる「案件動画」。株式会社RECCOOの調査によると、現役大学生の90%がこの形式の動画を認知していることが明らかになりました。この平成最後の世代が、影響を受ける可能性があるこの現象を深掘りしていきましょう。
案件動画の認知度と視聴傾向
「Youtuberやインフルエンサーが企業から依頼を受けて紹介する案件動画を知っていますか?」という問いに対して、驚くべきことに90%が「はい」と答えました。これは、Z世代にとって案件動画が既に日常的な存在であることを示しています。
さらに、各ジャンル別の視聴傾向を見てみると、最も多く挙げられたのが「コスメ」で75%、次いで「スキンケア」が70%、そして「食品」が56%でした。多くの大学生がコスメ商品の案件動画を見ていることがデータからも確認されました。
購入に繋がるかは別問題
しかし、この案件動画の影響力は必ずしも高いとは言えません。「見た案件動画を実際に購入したことがありますか?」という質問には、「コスメ」で30%、そして「脱毛、歯列矯正、美容施術、整形など」ではわずか4%しか実際の購入に繋がっていないとの結果が出ました。視聴率が高いにも関わらず、購入促進には限界があるようです。
案件動画が逆効果に?
面白いことに、案件動画を受けたサービスに悪印象を抱く学生が48%という調査結果も出ています。「脱毛、歯列矯正、美容施術」の分野では、逆に悪印象を抱くことが多く、実際のユーザーからは「胡散臭い」といった意見も見られました。特にお金がかかる施術であるため、懐疑的になるのは理解できます。
高評価の案件動画の特徴
では、どのような案件動画が好印象を与えるのでしょうか?以下のポイントが特に高評価を得ていました。
1.
悪い点もきちんと説明している:単に良いことだけを並べるのではなく、デメリットをきちんと語ること。
2.
案件であることを明確に伝えている:視聴者に不信感を与えないために、動画の冒頭で「これは案件です」と明記することが望まれる。
3.
案件っぽくない:普段のスタイルを崩さずに自然体で紹介する動画が好まれる傾向にあります。
4.
普段から使用していることを見せる:案件動画撮影中だけ使用するのではなく、実際に日常生活で使っている様子を見せることで、信頼を得ることができる。
信頼できるインフルエンサーは誰か
次に、どのインフルエンサーが信頼を集めているのか、視聴者から意見を集めた結果、1位に輝いたのは「エガチャン」でした。彼女のポイントは、案件を抱えすぎず、悪いところも隠さない姿勢が評価されました。
2位はHIKAKIN、3位には美容系YouTuberのnanacoななこが続いています。どちらも正直さや専門性を前面に出すことで信頼を得ているようです。また、4位にはスイーツやグルメをレビューする「正直レビュー」が、5位には「コスメヲタチャンネルサラ」が選ばれました。
調査の背景
この調査は、株式会社RECCOOが運営するクイックリサーチサービス『サークルアップ』の一環で行われました。データから明らかになったZ世代の実態は、今後のマーケティング戦略にとっても重要な指針となると思われます。
今後のインフルエンサーと企業との関わり方において、案件動画がどのような位置付けに変わっていくのかが非常に気になります。特に、Z世代のリアルなホンネを把握することで、企業はより適切なアプローチが可能になることでしょう。
今後、『サークルアップ』を通じて、Z世代の実際の意見や感想を活用したマーケティングが期待されます。