日韓ウェブトゥーン産業の未来を考えるフォーラムが開催
韓国の青江文化産業大学は、駐日韓国文化院で「次世代ウェブトゥーン・マンガクリエイター育成フォーラム」を成功裡に開催しました。このフォーラムには、LINEマンガやカカオピッコマ、楽天、小学館、KADOKAWAといった主要なプラットフォーム企業に加えて、名古屋芸術大学や宝塚大学、明治大学、大陸を越えてアメリカのバルーク大学、イタリアのルッカ・マンガスクールなど、計52の教育機関が参加。約120名の業界関係者が集結しました。
フォーラムの内容
本フォーラムでは、まずレッドセブンのイ・ヒョンソク代表による基調講演が行われました。イ・ヒョンソク代表は、韓国では年間4,000人のウェブトゥーン人材が社会に出ている一方、日本には6900億円規模の伝統的マンガ市場が存在するものの、ウェブトゥーン分野において人材不足が深刻な問題であると指摘しました。
さらに、MANGA総研の菊池健所長は、マンガ・アニメIP市場が3.7兆円に達し、デジタルプラットフォームの売上が3400億円を超えたと報告しました。これにより、今後のウェブトゥーン市場の重要性がますます高まることが期待されています。
日本のウェブトゥーン市場の転機
SORAJIMAの前田儒郎代表は、2024年から2026年にかけて日本のウェブトゥーン市場が大きな転機を迎えると予測し、制作コストや収益性に関する課題を提起しました。また、明治大学の藤本由香里教授は、韓国のウェブトゥーンの成功要因を立証し、特にウェブトゥーンエージェンシーシステムの重要性を強調しました。
青江文化産業大学のヤン・ヘリム教授は、韓国におけるウェブトゥーン教育の現状についても触れました。同大学のマンガコンテンツスクールは、韓国内で最大の規模を誇り、年間315名の新入生を迎え入れています。現役のクリエイターによる実践的な教育が、業界のリーダーを育成する重要な要素となっています。
今後の展望
フォーラムでは、日本のウェブトゥーンスタジオが韓国からの人材採用に対して非常に高い関心を示しました。これを受けて、青江文化産業大学は「Global Webtoon Education Network」という構想を提案しました。このネットワークは、今後日本の主要教育機関と協力していくための堅固な基盤を築くことを目指しています。
最後に、青江文化産業大学マンガコンテンツスクールのチョ・ジャンホ院長は、「今回の国際産学交流を通じて、日韓両国のマンガ・ウェブトゥーン教育が新たな段階へと飛躍するための基盤が整った」と強調しました。また、今後の協力体制に期待を寄せ、「日韓ウェブトゥーン産学協力の新しい章を開いていく所存です」との熱い想いを述べました。
このフォーラムが、日韓ウェブトゥーン産業の未来にどのような影響を及ぼすのか、今後の展開が非常に楽しみです。