フォトグラファー・宇井眞紀子の新たな挑戦
アイヌの人々の姿を捉えた写真集第2弾『Ene ku=an iアイヌ、100人のいまⅡ』が、とうとう10月1日より発売されました。この作品は、フォトグラファー・宇井眞紀子さんが33年間にわたり撮影してきたアイヌ民族のポートレート集で、第1弾に続く待望の一冊です。
アイヌの皆さんとの共生を目指して
宇井さんは、1992年からアイヌの方々との関係を築き上げ、彼らの物語を写真を通じて伝えることに情熱を注いできました。この新たなプロジェクトでは、撮影のシチュエーションや場所、さらには被写体となるアイヌの皆さん自身が選ぶことを通じて、リレー方式での撮影を行っています。これにより、各々の声や想いを尊重し、彼らの人生をより深く理解することを目指しています。
クラウドファンディングによる支援
今回の写真集も、クラウドファンディングによって多くの支援を受けて完成しました。このプロジェクトは、2017年に出版された初刊『アイヌ、100人のいま』に続くものであり、今回も百人百様のアイヌの姿や思いが詰まった内容が揃っています。
伝えるべき歴史と未来
宇井さんは、「Ene ku=an i」のタイトルに込めた思いを語りました。これはアイヌ語で「このように私がいること」を意味し、彼女がアイヌの皆さんの存在を強く意識した結果だと言います。この写真集を通じて、アイヌ民族の歴史や文化への理解を深め、未来へとつなげていきたいという願いが込められています。
展示会情報
さらに、12月4日から15日まで、刊行記念の展示会が開催される予定です。入場は無料で、さまざまなアイヌのポートレートを実際に観覧することができます。特別講演も予定されており、宇井さんとのトークセッションも行われる予定です。
宇井眞紀子の経歴と作品
宇井さんは、武蔵野美術大学を卒業後、写真に情熱を注ぎ、数々の作品を発表してきました。代表的な著書には『アイヌ、風の肖像』や『眠る線路』などがあり、評価も高いです。また、彼女はこれまでに数々の賞を受賞し、写真家としての地位を確立しています。
今回は、彼女の努力とアイヌの人々の声を、多くの人に知ってもらうための一歩となることでしょう。彼女の作品が、私たちに新たな視点を提供し、アイヌの歴史・文化を未来へとつなげる重要な役割を果たすことを期待しています。