イスラム建築美術の全貌を捉えた一冊
2025年3月26日、株式会社河出書房新社から『世界のイスラム建築美術 大図鑑』がいよいよ発売されます。著者は、イスラム美術と建築史のスペシャリストであるエリック・ブラウグ氏。この図鑑は、モスクやミナレット、マドラサなど、世界各国に点在するイスラム建築をビジュアルで紹介した、初の試みとなっています。
イスラム建築の魅力を存分に紹介
本書は紀元7世紀から2010年代までの数々のイスラム建築を網羅し、その美しさや独自性を約300カ所の建築物の写真と解説を通じて伝えます。著者ブラウグ氏は、25年以上にわたりイスラム幾何学デザインに取り組んできた経験から、各建物の特筆すべきポイントを的確に捉えています。
本書では、良く知られている有名建築はもちろん、それ以外のあまり知られていない驚くべき建物や、その美しい装飾についても詳細に紹介されています。特に大判ビジュアル図鑑の魅力を生かした多数の写真は、圧倒的な迫力を持ち、見る者を魅了します。
もたらされる評価と期待
この図鑑は、米国での発売直後から著名なメディアに取り上げられ、多くの賛辞を受けています。NPRは「驚きと宝に満ちた本」と称賛し、パブリッシャーズ・ウィークリーは「視覚的な饗宴」と評しています。翻訳版が日本で受け入れられること間違いなしと期待されています。
図鑑の主な特徴
本書には以下のような特徴があります:
1. 約300カ所の建築物を美しい写真と解説で収録。
2. 7世紀から現代までのイスラム建築の流れを網羅。
3. 地域別、時代別に構成され、建築様式の変遷を辿ることが可能。
4. 豊かな色彩を用いた大判写真で、内部と外観の細部も詳細に紹介。
5. 巻末には詳しい索引、用語解説、コラムページが充実。
本書の一部紹介
例えば、サブリ・モスクは1945年に完成し、パキスタン・カラチに位置する最大級のモスクとして知られています。外壁には精巧な花や植物の模様が美しく描かれており、裏庭にはクリケット場も完備しています。
また、アゼルバイジャンのシャキ・ハーン宮殿は1797年創建の歴史的な旧跡で、撮影禁止の内部はフランスのステンドグラスなどで飾られています。感謝祭チャペルはダラスにある礼拝堂で、イスラム建築の影響を強く感じさせる造形となっています。
最後に
本書『世界のイスラム建築美術 大図鑑』は、ただの図鑑ではありません。イスラム建築を通じて文化や歴史の理解を深めるための貴重な資源です。多様なイスラム建築の美しさを通じて、私たちがこれまで気づかなかった視点や新たな感動を提供してくれることでしょう。お楽しみに!