サンゲツと槌屋の協業による新たな取り組み
株式会社サンゲツ(名古屋市)と株式会社槌屋(同じく名古屋市)、そのグループ会社の槌屋ティスコ(愛知県知立市)が共同で新しい商品「音の出るファブリック」の開発に乗り出しました。この画期的なファブリックは、音響とインテリアデザインを融合させ、人々に新しい体験を提供することを目指しています。
特殊な技術が生み出す新しいインテリア
「音の出るファブリック」は、特殊なフィルムと電極シートを布に組み込むことで実現された柔軟なスピーカーです。このファブリックをカーテンや椅子生地に取り入れることで、空間デザインと音響演出を一体化させることができます。これにより、居住空間が持つ価値が一段と高まることが期待されています。
具体的には、布全面に埋め込まれた無数の小さな発音体が特徴です。この技術は、音が特定の場所に偏ることなく、布全体から均一に広がります。特に中高音域の再現性に優れており、自然で心地よい音を空間全体に響かせることが可能です。さらに、長尺の「音の出るファブリック」を設置し、その間を通り抜けることで音が追随するインタラクティブな体験も提供します。
共同開発の背景
この革新的な技術は、国立研究開発法人 産業技術総合研究所が開発したものです。この技術のライセンスを槌屋と槌屋ティスコが取得し、サンゲツとの共同開発が始まりました。各社の強みを活かした連携が新たな商品化へとつながるのです。
空間価値の向上を目指す
サンゲツは1849年に創業以来、壁装材や床材、ファブリックを通じて空間づくりに取り組んできました。現在、さらなる進化を求め、空間に関する多様なソリューションを提供し、体験価値を高める企業へとシフトしています。一方、槌屋はその高度な繊維加工技術を活かし、高機能な製品を生み出す商社として展開しています。今回の共同開発は、デザインのみならず聴覚に訴えかける新しい空間の創造を目指しており、より豊かな空間体験を提供することが期待されています。
未来への展望
この新技術の応用範囲はますます広がる可能性があり、各社は今後も協力を進めながら具体的な商品化と空間提案に取り組んでいく予定です。空間をデザインする「音の出るファブリック」は、未来のインテリアの形を大きく変えていくかもしれません。
(参考情報)