Z世代社員の育成に関する調査結果から見える企業の課題とは？

Z世代社員の育成に関する最新調査の結果

企業の中で若手社員が占める割合が増える中、Z世代（おおよそ1996年から2012年生まれの世代）の育成に関する調査が行われ、その結果が報告されました。この調査は総務専門誌『月刊総務』が実施したもので、全国の総務担当者147名が対象となっています。その結果、多くの企業がZ世代社員のマネジメントに困難を感じている実態が明らかになりました。

調査結果の概要

マネジメントの難しさ

調査によれば、実に75%の企業がZ世代社員のマネジメントに「難しさを感じている」と回答しています。具体的には、26.5%が「とても感じる」とし、前回の調査から明显な増加を示しています。多くの管理職は、Z世代の働き方や価値観に対して「何を考えているのかつかみにくい」と感じているようです。特に、コロナ禍を経た新入社員層は、コミュニケーション能力に難があり、自分の意見を表明することが苦手な傾向があります。

Z世代の価値観

Z世代社員の価値観についても調査が行われ、最も重視されているのは「ワーク・ライフ・バランス」であることが分かりました。さらに、「効率重視」や「フレキシブルな勤務体制」も重視されており、若い世代の働き方におけるニーズが明らかとなりました。しかし、社会貢献志向や仕事内容へのこだわりは、前回調査と比較して減少しています。

スキルの特徴

Z世代社員において特に顕著なスキルの一つが「デジタルリテラシー」です。計57.4%の企業がZ世代社員のデジタルスキルが高いと評価していますが、それと同時に「プライベート重視」や「コミュニケーションが苦手」な側面も指摘されています。

企業が重視する育成策

Z世代の育成において企業が特に重視している点は「自主性」であり、次いで「チームでの協働力」や「コミュニケーション力」が挙げられています。また、企業がZ世代に求めることとして、「自主的に学び動くこと」や「新しいアイデアの提供」が期待されています。

指導における注意点

育成においては、「高圧的に接しないこと」や「プライベートに無理に踏み込まないこと」、「公の場で叱らないこと」といった配慮が必要です。Z世代は自分の権利に敏感であり、平等に接することが重視されています。

総評

今回の調査結果からは、多くの企業がZ世代の育成に苦慮している実態が浮き彫りとなりました。課題は「主体性の欠如」や「受け身な姿勢」に多く、その背景には管理職世代からのフィードバックの不足があってのことだと考えられます。 Z世代はチームでの協力に長けていますが、自分から動くことに対しては不安を持ちやすいです。さらに、失敗を恐れずに発言できる環境を整えることが重要であり、これらの課題を解決するためには周囲と協力しながら育成体制を整えていくことが求められています。総務部門は、こうした取り組みをサポートする役割を果たし、Z世代の声を反映させた施策を進めることが重要です。これによって企業文化そのものがアップデートされ、Z世代が持つポジティブな要素を最大限に活かすことができるでしょう。