最新技術とデジタルアートの融合、イベント『デジタルミュージアム』が開催
2025年5月23日、GMOグローバルスタジオ株式会社と一般財団法人NHK財団が共催したイベント『ジャイアントスクリーンが誘う超没入体験! デジタルアートで蘇る日本の記憶』が行われました。このイベントでは、デジタルアートと最新技術が融合し、来場者に新たな体験を提供しました。
イベント概要
会場は、800インチを超える大型LEDディスプレイを備えたGMOグローバルスタジオ内の「WORLD STUDIO」。ここでは、インターネットミュージアム編集長の古川幹夫さんとNHK財団の石井アナウンサーがナビゲーターとなり、最新の8K映像や合成音声を用いたデジタルミュージアムの体験が始まりました。来場者は、まるで別世界に入り込んだかのような没入感を味わうことができました。
デジタルミュージアムとは?
デジタルミュージアムは、文化財や歴史資料を高精細な映像技術とインタラクティブな体験によって再構築した仮想展示空間です。場所や時間にとらわれず、誰もが簡単にアクセスできることを目的としています。NHK財団は博物館や美術館、研究機関とともに多様なデジタルミュージアムの制作を進め、新たなコンテンツの開発にも力を入れています。GMOグローバルスタジオは、この取り組みを通じて文化の保存と教育の促進を目指す姿勢を示しています。
イベントで取り上げられたデジタルミュージアム
1. 災害の記憶 デジタルミュージアム(あいおいニッセイ同和損保所蔵)
江戸時代の地震に関する歴史資料が、東京大学地震研究所の監修のもと、8K映像で展示されました。古地図やナマズ絵が大画面に映し出され、来場者は当時の社会背景や被災状況をリアルに体感しました。
2. まど・みちおのうちゅう展 デジタルミュージアム(周南市美術館所蔵)
詩人まど・みちおの抽象画が、視覚体験を通じて再発見される場が提供されました。彼の作品に隠れた技法や細密な表現が、超高精細映像によって蘇りました。
3. 出光美術館 デジタルミュージアム
長期休館中の出光美術館が3DCGで再現され、田中学芸員の解説と共にその魅力を届けました。デジタル撮影した高精細写真を基に、館内の照明デザインも仮想空間で調整され、視認性と保存性を考慮した照明演出が評価されました。
GMOグローバルスタジオの役割
GMOグローバルスタジオは、2024年にグランドオープンした次世代ライブイベントスペースです。さまざまなイベントに対応し、リアルとデジタルを融合した体験を提供しています。「WORLD STUDIO」は、その最前線を行っており、プロフェッショナルに必須な設備が整っています。今後も文化や教育、ビジネス分野において、新たな表現の場として「記憶の継承」と「体験の再設計」に取り組む姿勢を貫いていくでしょう。
このイベントを通じて、デジタルアートの新たな可能性とその重要性を再認識させられる時間となりました。参加した人々の間には、文化財が未来の世代へどう継承されていくのかを考えるきっかけがもたらされたことでしょう。