阿修羅像の新たな真実が明らかに！増補新版『阿修羅像のひみつ』発売へ

阿修羅像の新たな真実が明らかに！

2025年6月10日に発売が予定されている『増補新版阿修羅像のひみつ』では、国宝である興福寺の阿修羅像を中心とした9体の仏像に関する新たな研究成果が紹介されています。この書籍は、完成直前に変更された阿修羅の表情や仏像に秘められた歴史的な情報を解き明かしたものです。

X線CTデータ解析の驚きの成果

興福寺の阿修羅像は、2009年にX線CTを用いて非破壊検査を受け、そのデータ解析が現在に至るまで続けられています。この研究により、阿修羅の三面の顔の下には原型が存在しており、それが石膏で復元されたことが確認されました。さらに、この原型は目や口を開いた表情を持ち、阿修羅像が完成直前に変更された経緯が明らかになったのです。

その他の仏像も同様に、完成時の顔の下にはたくさんの隠れた特徴が隠されており、その研究が進むことで新たな知識が得られることが期待されています。このような発見は、1300年間の間に何度も行われた補修作業の跡からもわかります。

美しい写真とCT画像が盛りだくさん

『増補新版阿修羅像のひみつ』では、妖艶で端正な阿修羅像のひみつを探るための美しい写真や詳細なCT画像が豊富に掲載されています。阿修羅像がなぜこれほど多くの人々に愛され続けているのか、その魅力が視覚的に感じられることでしょう。

この書籍の著者は法相宗大本山興福寺の監修のもと、多川俊映、今津節生、楠井隆志、山崎隆之、矢野健一郎、杉山淳司、平野圭祐など、仏像専門家や文化財保存の第一人者たちで構成されています。

講演会「阿修羅のひみつ」開催情報

新たな発見をより広く伝えるため、2025年7月13日（日）には奈良大学講堂にて「阿修羅のひみつ—天平の至宝を未来につなぐ—」という講演会が行われます。主催が奈良大学で、後援には法相宗大本山興福寺や朝日新聞社寺社文化財みらいセンターが参加します。この講演では、阿修羅像の歴史や研究成果についてわかりやすく解説される予定です。