映画「ゆきてかへらぬ」公開を記念した文庫本の重版決定

株式会社KADOKAWAが発表した最新情報によると、文庫本「中原中也との愛」と「中原中也全詩集」が重版され、映画「ゆきてかへらぬ」とのコラボレーションが行われることが決定しました。この増刷された書籍は、映画の公開に合わせて映画のヴィジュアルが全面オビに採用されており、作品の魅力を一層引き立てています。

映画「ゆきてかへらぬ」は、2月21日に公開される最新作で、大正時代を舞台にした壮大な愛の物語です。本作の脚本を手掛けたのは、名作「ツィゴイネルワイゼン」や「セーラー服と機関銃」で知られる田中陽造氏で、この脚本は40年以上も前に書かれたもので、多くの監督たちに映画化を夢見られつつも、実現には時間がかかった隠れた名作とも言えます。

名匠・根岸吉太郎監督が16年ぶりにメガホンを取った本作では、広瀬すずさん、木戸大聖さん、岡田将生さんという実力派俳優たちが共演し、彼らが演じるのは、時代の波を乗り越えた愛と青春の三角関係です。

物語は、京都から始まります。女優としての道を模索する長谷川泰子（広瀬すず）と、若き詩人・中原中也（木戸大聖）の出会いから展開されます。20歳の泰子と17歳の中也が惹かれ合い、共に生活を始めるものの、価値観の違いが二人を試すことになります。

彼らの生活に訪れるのは、中也の詩の才能を誰よりも知る評論家・小林秀雄（岡田将生）。小林は自身の感性に忠実でありながら、泰子の魅力にも気づくことになります。こうして、二人の男に引き裂かれながらも、ひとりの女性が愛されるという、アーティストたちの青春が描かれるのです。

この映画の特徴は、登場人物たちの複雑な心情を緻密に描写していることです。泰子は、男たちの関係性に対して複雑な感情を抱えつつも、同時に彼らからの愛に浸ることになります。視聴者は、二人の男性の間で揺れ動く彼女の姿に心を揺さぶられることでしょう。

書籍「中原中也との愛」は、長谷川泰子が自身の経験を赤裸々に語った回顧録としても注目されています。そして「中原中也全詩集」は、夭折した中原中也の詩を全集として収めた貴重な作品です。これらの文庫本は、豊富な資料を基に、昭和初期の文学界を知るための重要な資料としても高く評価されています。

映画に関する詳細は、公式ウェブサイトやSNSで随時更新されているので、ファンには必見の情報源となっています。映画の公開前後には、これらの書籍もぜひ手に取って、その世界観に浸ってみてください。