新たな才能、夏木志朋の躍進
第173回直木三十五賞の候補作に、業界が注目する新人作家・夏木志朋の最新作『Nの逸脱』が選ばれました。この作品は、2025年1月22日に株式会社ポプラ社から刊行される予定です。夏木氏は2019年に『ニキ』でデビューを果たし、文庫化時に『二木先生』と改題された作品で累計16万部を突破。特にSNSでの反響が大きく、若い世代からも支持されている彼女の新たな挑戦が、多くの読者の期待を集めています。
『Nの逸脱』は、日常生活を送る中で突然“逸脱”することになった三人の人物を描く短編集です。心の奥に隠された歪みが引き金となり、現代社会の危うさを浮き彫りにしています。この作品は、どんな些細な出来事が思わぬ結末を生むか、いかにもありそうなシナリオであり、リアルなドラマを感じさせます。
特に発売前から著名な作家や評論家たちからも称賛の声が寄せられており、桐野夏生氏や黒川博行氏、文芸評論家の三宅香帆氏、さらには声優の斉藤壮馬氏やお笑い芸人の永野氏など、各界の面々がこの作品の注目度を示しています。発売後は、TBSテレビの「王様のブランチ」や「ダ・ヴィンチWeb」、さらに「好書好日」など、幅広いメディアで取り上げられ、話題となりました。
『Nの逸脱』のあらすじ
この短編集は、3つの短編で構成されています。最初の作品「場違いな客」では、爬虫類のペットショップでアルバイトをしている金本篤が、売れ残ったフトアゴヒゲトカゲの処分を阻止しようと奮闘する姿が描かれています。彼は高額な代金を捻出するためにある男を脅迫しようとするものの、思わぬ事態を招いてしまいます。
次に紹介する「スタンドプレイ」では、高校数学教師・西智子が深夜の満員電車で非道な若い女性に出くわし、冷静さを保とうとしながらも感情に流され追いかける姿が描かれます。ここでは、日常に潜む緊迫感と人間関係の難しさを垣間見ることができます。
最後の短編「占い師B」では、占い師・坂東イリスのもとに弟子として来た女性が、失敗ばかりを重ねながらも執拗に食い下がる姿が見られます。彼女の奮闘が、果たしてイリスとの関係にどのように影響を与えるのかも見逃せないポイントです。
著者夏木志朋について
夏木志朋(なつき・しほ)は1989年に大阪で生まれ、大阪市立第二工芸高校を卒業後、作家としての道を歩いてきました。2019年に『ニキ』でポプラ社小説新人賞を受賞しデビュー。特に彼女のデビュー作『二木先生』は、多くの読者に支持され、これまでの成績も非凡です。今後の作品にも大きな期待が寄せられています。
書籍情報
- - タイトル: 『Nの逸脱』
- - 著者: 夏木志朋
- - 定価: 1,760円(税込)
- - 発売日: 2025年1月22日
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この作品は、日常の中に潜む不安や恐れをテーマにした作品であり、多くの読者に共感を呼ぶこと間違いなしです。今後も夏木志朋という名前を耳にする機会が増えるでしょう。