書籍『ガロア理論』の魅力とは
2025年6月24日、株式会社日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)から新しい数学の書籍『初学者のために何度も書き直した基礎からの「ガロア理論」初歩の概念から最新の応用までをていねいに解説』が登場しました。著者は廣津孝氏で、数学の基礎から最新の応用までを丁寧に説明しています。この書籍は特に初めてガロア理論に触れる人々に向けて構成されており、その理解をサポートするための設計がされています。
ガロア理論とは?
ガロア理論は、代数方程式の解の可解性を調査するための強力な数学理論です。古くから存在する二次方程式の解の公式に加え、三次のカルダーノの公式や四次のフェラーリの公式がありますが、五次以上の方程式については、解の公式の存在が否定されることが示されました。これを行ったのがN・アーベルやP・ルフィニであり、同時にE・ガロアはその先駆的な考え方を発展させました。
E・ガロアは1811年に生まれ、若くして亡くなった天才数学者ですが、彼の考え方は後により広く受け入れられることになります。群論や代数拡大理論に基づいた彼の理論は「ガロア理論」として整備され、現代数学において重要な役割を果たしています。この理論は代数的整数論や数論幾何学といった数多くの分野の基礎を成しているのです。
本書の構成
本書では、代数方程式の可解性やアーベル=ルフィニの定理の証明を中心に解説が行われています。特に特徴的なのが、以下の4つのポイントです:
1.
初学者向けの構成 - 難解な概念をわかりやすく説明。
2.
自己完結性 - 知識がなくても理解できるよう工夫されています。
3.
ミニマルな内容 - 重要なポイントに絞った解説。
4.
参考書としてのスタイル - 学びを深めるためのクエスチョンなども含まれています。
加えて、ギリシャの三大作図問題や、最近解決された「角の有理二等分問題」についての触れ込みもあり、数学の魅力を広く伝える内容となっています。
著者のプロフィール
著者の廣津孝氏は1986年に愛媛県で生まれ、広島大学を卒業後、東北大学大学院に進学し博士号を取得しました。代数的整数論や数論幾何学を専門とし、2024年には複雑な数論の問題を解決するなど多彩な経歴を持っています。また、テレビ番組の数学クイズ制作にも携わるなど、数学の理解を深める活動を幅広く行っています。著書には『偉大な定理に迫る!理系脳を鍛える数学クイズ』などがあり、その功績は多岐にわたります。
まとめ
書籍『ガロア理論』は、初学者が代数方程式の可解性の奥義を知るための強力な指南書となることでしょう。数学の深淵なる世界へ足を踏み入れたい方にとって、有益な情報が詰まった一冊に仕上がっています。興味のある方はぜひ全国の書店やネット書店で手に取ってみてはいかがでしょうか。あなたの数学探求の一歩を後押ししてくれることでしょう。