冬にやってきた春と夏と秋
この度、株式会社徳間書店から素晴らしい絵本『冬にやってきた春と夏と秋』が、10月29日(水)に発売されることが発表されました。本作は、ドイツ系ユダヤ人作家ウルリッヒ・アレクサンダー・ボシュヴィッツが残した名作童話をもとに、ピュリッツァー賞受賞作家ジョナサン・フリードランドが新たに紡ぎ、英国の人気絵本作家エミリー・サットンが美しいイラストを添えています。
あらすじの紹介
物語は、冬の王が誕生日に特別なパーティーを計画するところから始まります。彼は長い間会っていなかった春の女王、夏の王、秋の女王を招待することにします。しかし、太陽や風はこの考えに懸念を示すものの、冬の王は耳を貸しません。やがて四季の王たちが冬の宮殿に集まると、楽しさにあふれた時間が流れます。
しかし、その楽しいひとときとは裏腹に、宮殿の外では大混乱が生じます。夏の日差しの中で秋の雨が降りしきり、雪も舞い、春の花が咲こうと奮闘します。こうして四つの季節が乱れた結果、田畑は収穫を迎えられず、動物たちは冬眠のタイミングを見失ってしまいます。
「このままではいけない」と、兄弟たちはそれぞれの宮殿へ戻る決意を固めます。その結果、すべては元の季節に戻り、平穏が戻るのです。物語は、混乱から調和を取り戻すことの重要性を教えてくれます。
高い評価を得た絵本
『冬にやってきた春と夏と秋』は、権威あるテレグラフ紙とニュー・ステーツマン誌の2024年ベストブックに選ばれるなど、すでに多くの注目を浴びています。この物語の背景には、第二次世界大戦下でユダヤ人としての苦しい経験を経た作家の思いが込められています。ボシュヴィッツは、27歳の若さでこの世を去ることになりますが、彼の作品は今なお多くの人々に感動を与え続けています。
本作では、フリードランドが文章を手掛け、サットンが美しいイラストを描くことで、物語の魅力が一層引き立ち、ページをめくるたびに新たな発見があるでしょう。特に、カラフルで細やかな絵は、子供たちの心をつかむことでしょう。
著者プロフィール
ジョナサン・フリードランド
「ガーディアン」誌のコラムニストであり、BBCラジオの歴史番組『The Long View』のプレゼンテーターでもあるフリードランドは、文学界でも名を馳せる存在です。彼の言葉は情熱に満ちあふれ、心に響くものがあります。
エミリー・サットン
絵を担当したエミリー・サットンは、エジンバラ・カレッジ・オブ・アートにてイラストレーションを学び、彼女の作品は繊細で、視覚的魅力にあふれています。様々な子供向け絵本に携わり、その確かな技術と感性で高い評価を得ています。
さくまゆみこ
訳者のさくまゆみこは、出版社勤務の後にフリーの翻訳者として活動し、児童書に精通しています。子供たちに向けた平和の重要性を伝える著書も手掛けており、翻訳の技術に定評があります。
書誌情報
- - タイトル: 冬にやってきた春と夏と秋
- - 著者: ジョナサン・フリードランド
- - 絵: エミリー・サットン
- - 訳者: さくまゆみこ
- - 定価: 1980円(税込)
- - 発売日: 2025年10月29日(水)
- - 判型/ページ数: A4変型/32ページ
- - ISBN: 978-4-19-866087-1
- - 商品ページ: 徳間書店 / Amazon
本作は、ただの絵本に留まらず、深い思索を与えてくれる作品として多くの人に読まれることを期待しています。