手帳が中高生のスマホ依存を軽減！自律的な時間管理を促進する効果とは

近年、中高生のスマートフォンやインターネットの依存が深刻な問題となっています。この依存は学業への集中力や生活習慣、さらにはメンタルヘルスに悪影響を及ぼすため、多方面からの解決策が模索されています。その一環として、株式会社NOLTYプランナーズが実施した調査が注目を集めています。

調査の背景

NOLTYプランナーズは、紙の手帳が中高生のデジタルデバイス利用にどのように影響を与えるかを調べるため、全国の中学・高校に配布した『NOLTYスコラ手帳』を通じて、保護者600名への意識調査を行いました。この調査では、手帳を利用する子どもにおいて、スマホやタブレットの使用時間がどう変化するのか、またその結果として学習や生活習慣にどのような影響があるのかを明らかにしました。

調査結果の主なポイント

デジタルデバイスの使用時間の差

調査によると、手帳を使っている子ども（グループA）は、デジタルデバイスを1日平均4時間以上使用する割合が10.7%と低い結果が出ました。一方、手帳を使わない子ども（グループB）は21.7%に達しており、これは約2倍の差を示しています。手帳を使うことで、子ども自身が時間を意識し、デジタルデバイスの使用を抑える習慣が形成される可能性が高まったと考えられます。

自己管理能力の向上

手帳を使用する中高生の保護者は、子どもが「時間を意識して行動できるようになった」「忘れ物が減り、持ち物を管理できるようになった」など、特に自己管理能力の向上を実感しています。具体的には、グループAの保護者は「時間を意識して行動ができるようになった」との回答が544ポイント、グループBは331ポイントで、213ポイントの差がありました。手帳の使用が具体的な自律心の育成に寄与している影響が読み取れます。

学校での手帳導入の効果

また、調査では学校で手帳が導入された場合、子どもにおける時間意識の向上が顕著であることが挙げられています。手帳を使うことが奨励される環境が整うことで、子どもたちは時間管理に対する意識を持つようになり、自分の行動を整理する力が育まれると示唆されています。

保護者の支援意識の変化

手帳を使用する子どもを持つ保護者は、学習や生活においてより積極的にサポートを行っている傾向が見られました。グループAの保護者は、意識的に子どもを支援しているという自負が強く、手帳を通じて子どもたちの状況を把握しやすくなっていると考えられます。これに対して、手帳を使用しない子どもを持つ保護者は、サポートの必要性をあまり感じない傾向が示されました。

自主性と自己管理の重要性

最後に、今後子どもに身につけてほしい能力について、手帳を使うグループの保護者は「自分で考えて行動する力」と「正しい生活習慣や自己管理力」を重視する傾向がありました。これは、自身が手帳を通じて実践的な時間管理や自己管理のプロセスを体験している影響が大きいと考えられます。

まとめ

今回の調査から、中高生に対する手帳の効果は、単なるスケジュール管理のツールに留まらず、教育や育成において大きな役割を果たしていることが明らかになりました。手帳を活用することで、デジタルデバイスの利用時間が適切に調整され、自己管理能力や自主性が育まれることで、充実した成長をサポートする要素となっています。さらには、保護者とのコミュニケーションをも促進し、家庭教育の質を向上させる「支援ツール」としての可能性が期待されています。手帳は、未来を担う若者を育てるための重要なアイテムとなることでしょう。