温暖化は大人だけの問題ではない
2025年度の「青少年読書感想文全国コンクール」で課題図書に選ばれた絵本『たった2℃で…地球の気温上昇がもたらす環境災害』。本書は、キム・ファンさんの文にチョン・ジンギョンさんの絵が融合し、子どもたちに温暖化の脅威をわかりやすく伝える一冊です。
あらすじと多様な生き物の視点
本書では、人間の体温を36.5℃として、たった2℃の上昇がもたらす影響を描いています。また、魚やウミガメを始めとするさまざまな生き物たちが、温暖化によってどのような影響を受けるかを描いています。特に、ウミガメの性別が生まれる砂浜の温度によって決まるというエピソードは、多くの人に感銘を与えています。
温暖化という科学的テーマは難解ですが、生き物たちの視点から描かれることで、子どもたちにも直感的に理解できます。生き物たちがどのように環境に適応しているか、そして何を失っているのかが、鮮やかなイラストとともに丁寧に表現されています。
キム・ファンさんのインタビューのハイライト
インタビューの中で、キム・ファンさんは作品作りの過程について語りました。「温暖化を表現するには身近な生き物を選びたかった。人間が感じることを基に、どの生き物がどのように影響を受けるのかを考えました」と述べています。また、絵に対するこだわりにも触れ、特にウミガメの描写では、様々な意見を交えながら緻密な制作が行われたことが伝わります。
「この本の主題は、自分の未来を自分たちで守ることだ。子どもたちには、温暖化を単なる大人の問題にしてはいけないということを伝えたい」と、メッセージを強調しています。キム・ファンさんは、この絵本を通じて温暖化の問題を自分ごととして捉えてほしいと願っています。
絵本から広がる環境意識
『たった2℃で…』は、ただ知識を伝えるだけでなく、感情にも訴えかける作品です。「この本を読んで感じたことを、大人に伝え、そして自分たちの未来について考えるきっかけにしてほしい」という思いが込められています。具体的に何をすれば良いかはやや難しい質問ですが、温暖化を他人事とせず、自分たちの意識で行動してほしいというメッセージが響きます。
読んで感じたことを一緒に考えることで、子どもたちは未来の地球を自分たちの手で守る力を養うのです。この絵本は、楽しいストーリーの中に深い意味が隠されており、教育的価値が高いことがわかります。
書誌情報と著者プロフィール
『たった2℃で…地球の気温上昇がもたらす環境災害』は、2024年5月15日に出版予定で、対象は小学校1・2年生向けです。興味を持った方は、ぜひ手に取ってみてください。温暖化をテーマにしたこの絵本が、子どもたちにとっての貴重な学びの機会となることを期待しています。
まとめ
この絵本で温暖化を学ぶことは、ただ知識として持つだけではありません。それを自分たちの問題として捉えることで、未来を変えていく一歩を踏み出すことができます。温暖化は他人事ではなく、自分ごとであるということを、この作品を通して子どもたちと共有していきたいですね。