ピーター・ブルックの傑作が8K修復版で登場
舞台演劇の魔術師、ピーター・ブルックの名作『マハーバーラタ』が、2025年7月25日(金)に渋谷のPARCO劇場で世界初の8K修復版として上映される。この上映会は、昨年行われた第81回ベネチア国際映画祭での公開を経て、特別な形で実現する。
この上映会は、劇場空間でしか味わえない圧倒的な映像美と音響体験を提供することが目的だ。ピーター・ブルックが1985年にアヴィニョン国際演劇祭で初演した『マハーバーラタ』は、舞台芸術のみならず、映画やアートに及ぶ幅広い影響力を持つ作品で、「戦争」、「倫理」、「権力」といった現代社会とも響き合うテーマが描かれている。
ピーター・ブルックの影響力
ピーター・ブルック(1925-2022)は、20世紀の演劇界における巨星である。特に、彼の演出スタイルは革新性と深い哲学性に裏打ちされており、退屈しのつろうとした観衆を引きつけてやまない。彼の手がけた作品は、演劇界に限らず、映画やアート、カルチャー全般に影響を与えてきた。数々の賞を受賞した彼の功績は、今なお多くのアーティストや観客にインスピレーションを与え続けている。
8K修復版上映の特別性
今回の『マハーバーラタ 8K修復版』は、映像の解像度が現行の2Kの約16倍、4Kの4倍にあたる約3,300万画素という超高精細映像で、これまでにない没入感を実現している。特設の8K対応プロジェクターとスクリーンを用意し、一般的な映画館では体験することのできないレベルの映像美を提供する。これは、視覚的にもオーディオ的にも圧倒される体験であり、観客はまるで俳優の息づかいまで感じることができるようになるだろう。
制作背景と特別イベント
この8K修復版の制作には、ピーター・ブルックの息子、サイモン・ブルックが5年にわたり取り組んできた。オリジナルフィルムの収集から、音声の修復まで、多大な時間と努力が費やされた。この上映のために新たに制作された日本語字幕も用意されており、観客は内容をより深く理解することができる。
上映前には特別トークイベントも行われ、サイモン・ブルック氏と音楽監督である土取利行氏が登壇する。ピーター・ブルックの新たなプロジェクトを体験できる機会は、2015年の舞台『バトルフィールド』以来、実に10年ぶりであり、貴重なチャンスである。
チケットの入手情報
チケットは現在発売中で、全席指定で3,000円とお手頃な価格で入手可能だ。場所はPARCO劇場(渋谷PARCO 8F)で、上映は170分を予定している。上映当日はプレトークイベントがあるため、開始時刻近くには会場に到着しておくことが推奨される。
ぜひ今後の上映を楽しみにしてほしい。舞台芸術の境地を超えた、映像と音楽が織りなす圧倒的な体験を、劇場でじっくりと味わおう。