日本の地方美食が世界の富裕層を魅了する理由とは
近年、日本を訪れる外国人観光客の数は急激に増加しており、特に2025年には年間で3000万人を超えると予測されています。この中には、東京や大阪の都市部を訪れるだけでなく、地方に残る名店を目的とした旅行者も増加傾向にあります。世界の富裕層の間で日本の美食を求める「ガストロノミーツーリズム」が流行しているのです。
新刊の紹介
この流れを背景に、柏原光太郎氏が著した『日本人の9割は知らない 世界の富裕層は日本で何を食べているのか? ガストロノミーツーリズム最前線』が10月29日に発売されました。本書では、世界が注目する日本の隠れた美食をピックアップし、その魅力を余すところなく紹介しています。著者の柏原氏は、40年以上も美食を探求してきた第一人者であり、「食べログ」のフォロワー数は約5万人を超える食通です。
富裕層の食へのこだわり
本書の冒頭では、ガストロノミーツーリズムとは何かについて深く掘り下げています。世界の富裕層がどれほど食にこだわるか、その実態を示す具体的なエピソードが紹介されています。北極点にあるレストランにボートやヘリコプターで向かうほどの情熱を持つ富裕層たち。彼らは高級な食体験を求めて世界中を旅しているのです。その投資額は家族旅行一回につき3000万という場合も。彼らはただ食事をするのではなく、その背後にある文化や歴史を体験することに価値を見出しています。
日本の隠れた宝
次に、日本が誇る隠れた食の真価について語られています。「地方にこそ、本物の食がある」というメッセージが強調され、著者は日本ならではの風土や歴史が生む独自の美食文化の魅力を提示しています。特に地方の小さな麦店や農家直営のお店には、洗練された料理が育まれており、地元の人々に愛されています。これこそが、富裕層が訪れる最大の理由なのかもしれません。
名店と新興エリアの特集
第3章では、富裕層が訪れる日本各地の名店と新たに注目を浴びるエリアについて詳活められています。例えば、富山の利賀村に位置する「L'évo」は、400人ほどの村に年間8000人が訪れるほどの人気店です。また、客の90%が外国人を占める北九州の「照寿司」は、その絶品の寿司が支持されています。
さらに、第4章では、今後注目される次世代の美食エリアが紹介されており、どのエリアもそれぞれの個性豊かな食文化を持っています。北海道・十勝の「北の屋台」や、アートと美食の共存する「瀬戸内海美食海道」など、訪問する価値のある地域が多岐にわたります。
日帰りで味わえるローカルガストロノミー
また、終章では首都圏から日帰りで行けるローカルガストロノミーについても触れています。神奈川の湯河原や栃木など、非日常の体験を提供するスポットも満載です。これらの魅力溢れる場所は、観光客だけでなく、日本の人々にも広く知られてほしいものです。
まとめ
『日本人の9割は知らない 世界の富裕層は日本で何を食べているのか? ガストロノミーツーリズム最前線』は、単なる美食旅行についてのガイド本ではなく、地方の魅力再発見への誘いでもあります。日本の食文化の奥深さや、その背景にある人々の情熱を知ることで、私たちも知られざる日本の美食を楽しむことができるはずです。これからの旅行計画に、本書を参考にしてみるのも良いでしょう。日本の美食に対する感謝の気持ちを抱きつつ、次の目的地を探してみてはいかがでしょうか。期待が膨らむ一冊です。
【書籍情報】
- - タイトル:日本人の9割は知らない 世界の富裕層は日本で何を食べているのか? ガストロノミーツーリズム最前線
- - 著者:柏原光太郎
- - 定価:1,980円(税込)
- - 発売日:2025年10月29日
- - 発行元:ダイヤモンド社