青春を描く新刊『ポジション!』
新たに発売された青春小説『ポジション!』は、スポーツが苦手な少年の成長と仲間との絆を描いた心温まる物語です。背が高いという理由でミニバスチームのメンバーに加わった主人公、芽吹(めぶき)の挑戦と葛藤が細やかな筆致で描かれています。
物語の背景
芽吹は小学6年生。彼の最大の悩みは、実は体育が苦手なこと。身長が高いからといってバスケットボールが得意なわけではなく、もちろん運動神経もイマイチ。そんな彼が、人数不足のチームを救う救世主としてミニバスにはじまり、仲間との絆を築く過程で成長していく姿が、この作品の中心テーマです。
チームに加わることへの期待と現実
芽吹は「何かが変わるかもしれない」と期待しながらミニバスチームに参加。しかし、やがてバスケが得意な小5の後輩が加入したことで、芽吹は次第に自信を失っていきます。周囲の期待とは裏腹に、自らはまるでそのチームに必要とされていない存在のように感じる芽吹。彼が抱える孤独と不安は、現代の多くの子どもたちにも共感を呼ぶものでしょう。
友情と勇気の意味
運命の転機が訪れるのは、数年ぶりに再会した4歳年上の友人・ルイが登場したとき。ルイは、障がいを乗り越えて車いすバスケットボールで努力を重ねている人物。彼の姿は芽吹にとって大きな勇気となり、仲間のために役立ちたいという思いが芽生えます。この再会が、物語の大きなターニングポイントになります。
トレーニングと成長の過程
芽吹は、目標を持って練習に励みます。仲間たちと過ごす日々が彼に喜びを与え、やがて一緒に汗を流すことで絆が深まります。一方で、チームメイトたちもそれぞれの悩みを抱えています。夢や目標を持たずに試合に臨むメンバー、それにもかかわらず勝利を目指す強い思いとの狭間で揺れる芽吹の心情が丁寧に描かれ、彼らの成長が励まし合いであることに気づくのです。
主要な登場人物と著者の思い
本作は、作者の高田由紀子によって生み出されました。彼女は新潟県佐渡市出身で、数々の児童文学賞を受賞しています。苦手意識を乗り越える主人公たちの姿は、彼女自身の経験に基づいているのかもしれません。
書誌情報
『ポジション!』は株式会社岩崎書店から出版されており、288ページのボリュームがあります。定価は1,650円で、全国書店やネット書店で購入可能です。この作品は、成長や友情、努力の意味を教えてくれる一冊となっており、多くの読者に愛されることでしょう。詳しい情報は、岩崎書店の公式ページをご覧ください:
岩崎書店商品ページ
動画リンク
作品の魅力を知るための紹介動画も公開されています。こちらでその様子を楽しんでみてください:
商品紹介動画
この青春ストーリーは、ただのスポーツ小説に留まらず、自らのポジションを探す過程で多くの感情をも呼び起こします。芽吹と仲間たちの冒険をぜひ手に取って感じてみてください。