91歳の女店主が語る、銀座の老舗呉服店「むら田」の歴史と想い
2025年11月12日、株式会社KADOKAWAから特筆すべき書籍『九十一歳、銀座きもの語り』が刊行されます。この著作は、91歳まで現役で店を営んでいた老舗呉服店「むら田」の女店主、村田あき子さんの感動的な人生を紐解くものです。村田さんは、20代で呉服店に入り、60歳で店主に就任。約30年間にわたり、毎日店に立ち続け、きものへの情熱を持ち続けました。
「むら田」の背景
銀座六丁目に位置する「むら田」は、多くの文士や著名人に親しまれてきた小規模ながらもその存在感は絶大です。村田さんは、陶芸家の祖父やモザイク工芸作家の父、先代店主の義父など、様々な影響を受けながら、独自の美意識を育んできました。彼女の語る「きもの」とは、単なる衣服ではなく、人生そのものであり、文化の象徴です。
本書の内容
『九十一歳、銀座きもの語り』では、村田さんの人生や「むら田」の歴史が豊かに描かれています。書籍の目次には、毎日の習慣やきもの選びのコツ、そして「むら田」のユニークな歴史が並びます。特に「変わり者の店主」や「銀座の呉服店さまざま」といった項目は、彼女の周りの人々とのエピソードや、時代の流れの中での変化について触れています。
文章の構成を担った文筆家の西端真矢さんは、村田さんの言葉を丁寧にまとめることで、彼女の情熱と愛情あふれるきものの世界を伝えています。
呉服の魅力
村田さんが大切にしていたのは、ただ「着る」だけのきものではなく、文化や歴史を感じることでした。特に彼女が注目したのは、紬や古裂、そしてきものにまつわるさまざまな技術です。66年という長い年月を経ても色褪せることのない彼女の愛情と、その背景にある文化の深さは、読む者に強く訴えかけます。
村田あき子の人生
村田さんは、1964年に夫となる村田悳次と結婚し、夫の死後も店を守り続けました。彼女の経歴には多くのエピソードが詰まっており、特に育児や独自のきものに対するこだわりに関する話は、共感を呼び起こします。また、苦難を乗り越えた経験は、読者に勇気と希望を与えることでしょう。
まとめ
この書籍は、単なる呉服店の物語に留まらず、時代を超えた価値観や生きる力を教えてくれる一冊です。きものを愛する全ての人々にとって、村田さんの言葉が新たな気づきをもたらすことは間違いありません。是非手に取って、彼女が生きた証となる物語を体験してみてください。