文豪と万年筆プロジェクト
2025-07-10 14:49:31

大阪工業大学の学生が文豪の万年筆作品を復刊、著作権を学びながら新たな扉を開く

大阪工業大学での新たな取り組み



大阪工業大学の知的財産学部において、水野五郎教授のゼミ生たちが、著作権に関する知識を実践に活かすためのプロジェクトを進めています。この度、夏目漱石や谷崎潤一郎、北原白秋といった文豪たちの万年筆に関する作品を収めたアンソロジー『文豪と万年筆』が発行されました。このプロジェクトは、著作権が消滅した文学作品を復刊することを目的としており、学生たちが主体となって進めている点が特徴です。

復刊の意義



本書の制作背景には、著作権を学ぶ学生たちの熱意があります。彼らは同一性保持権を重視し、候補となる作品を厳選した上で、自ら編集作業を行い、作品の魅力をどう伝えるかを深く考えました。そして、復刊された作品には、万年筆に関連するエピソードや随筆が多数収められています。特に、夏目漱石についての章では、彼が高級万年筆の影響を受けている様子が詳しく描かれています。

作品の構成



アンソロジーは全体で三つの章に分かれています。第1章では漱石と万年筆の関係をテーマに、内田魯庵が漱石に高級万年筆「オノト」について書くよう依頼したというエピソードを通じて、漱石が当時の文房具のインフルエンサー的存在だったことを示しています。

第2章では、万年筆派と毛筆派にフォーカスを当て、谷崎潤一郎が毛筆派としての意見を展開する様子や、昭和初期における筆ペンのアイデアを紹介しています。さらに、第3章では、万年筆が贅沢品であった時代の文化や風俗が描かれる作品を集めています。このような多様な作品を通じて、文豪たちがどのように文房具に対して思いを馳せていたのかが伺えます。

編集作業のこだわり



編集を担当したのは、文房具好きな3年生の学生たちです。彼らは祖父から譲り受けた万年筆がキッカケでこのプロジェクトに興味を持ったとのこと。この本では、作品の冒頭に文豪たちの肖像画を掲載し、独自のデザインによる表紙も自ら手掛けています。また、著作者人格権である同一性保持権を尊重しつつ、底本との照合作業にも細心の注意が払われました。これにより、オリジナリティを保ちながらも、オリジナル作品に敬意を表する形で復刊されています。

販売情報



『文豪と万年筆』は、文庫判(A6)で168ページの内容が詰まっており、価格は700円(税込み)です。本書は水野ゼミが運営する書店やインターネットのマーケットプレイス「BOOTH」で購入できます。書店は、大阪市北区西天満に位置しており、月・金曜日は18:30から20:30、土・日・祝日は13:00から20:00まで営業しています。

このプロジェクトを通じて、学生たちが得た貴重な経験や著作権の理解が、今後の彼らに与える影響は計り知れません。文豪たちの作品とともに、彼らの未来にも光が差し込むことを期待します。


画像1

画像2

関連リンク

サードペディア百科事典: 著作権 大阪工業大学 文豪と万年筆

トピックス(その他)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。