超高齢化社会にMVP登場!
日本の高齢化は今や深刻な課題となっています。厚生労働省によると、2020年時点で65歳以上の人口は約3600万人に達し、今後さらに増加が予測されています。このような状況で、多くの高齢者が直面するのが、年金だけでは生活が難しいという現実です。そして、この厳しい現状の中で、ある新しいビジネスモデルが登場しました。それが『ばあちゃんビジネス』です。
### 生きがいと収入を提供する『ばあちゃんビジネス』
福岡県うきは市の『うきはの宝』株式会社が展開する『ばあちゃんビジネス』は、高齢者に生きがいと収入を提供することを目的にしています。代表の大熊充さんは、創業前に99.9%の人たちから反対されたものの、地域の高齢者と密にコミュニケーションをとり、彼女たちの実情を把握しました。そして、2019年に『うきはの宝』を設立し、このユニークなビジネスモデルをスタートさせました。
大熊さんの取り組みは、多くの課題を乗り越えた結果、福岡県知事賞を受賞した『蜜な干し芋』や、『ばあちゃん新聞』など、数々のヒット商品を生み出しました。特に『ばあちゃん新聞』は、5000部の発行部数を誇り、地域の知恵やアイデアが詰まった情報源として、多くの人々に愛されています。
### 健康長寿の秘訣を探る
ここで働く高齢者たちは、どのようにして活力あふれる日々を送っているのでしょうか?国内外からの視察者が訪れる中、2024年にはアメリカのスタンフォード大学から認知症専門医が来訪し、「うきは市には日本経済活性化のヒントがある」との評価が寄せられました。
亡き夫のために苦労してきたばあちゃんたちが、仕事を通じて仲間とともに目標を持ち、日々を楽しむ姿勢は、結果的に認知症予防につながると考えられています。また、仕事が強制でなく「自分の役割」として認識されていることが、高齢者たちの社員意識を高め、やる気を引き出しているのです。
### 新しいビジネスの可能性
大熊さんは、「年商1億円は通過点」と語る一方で、『ばあちゃんビジネス』はどんな地方都市でも成り立ち、規模に関係なく継続可能なモデルであると確信しています。これは、地方の起業家や地域づくりに関心を持つビジネスマンにとって、非常に参考になる戦略なのです。
### 日本の未来を明るくする取り組み
大熊さんの情熱とパイオニア精神は、若い世代が高齢者ビジネスを始めるきっかけにもなるかもしれません。「全国に元気なじいちゃんやばあちゃんが増えると、日本全体が明るくなる」と彼は力強く語ります。
そう、私たちは地域で高齢者ビジネスに挑戦し、みんなで良い社会を作り上げていくことができるのです。
### 書籍情報
大熊充の著書『年商1億円!(目標)ばあちゃんビジネス』は、2025年4月2日発売予定。定価は1650円(税込)で、全国書店及びオンラインで購入可能です。
【著者プロフィール】
大熊充さんは1980年に福岡県うきは市に生まれ、独学でデザインを学びました。2014年にデザイン会社を創業し、その後地域課題の解決に向けて様々な社会貢献活動を行いました。高齢者のための仕事の場を提供し、地域の活性化を目指す彼の取り組みは、今後も注目を集め続けることでしょう。