松岡正剛の生涯を語る初の自伝が発表
異能の編集工学者、松岡正剛氏の名を知らぬ人はいないでしょう。彼は「若者の教祖」とも称され、編集工学の第一人者として多くの著作を残してきました。そんな松岡氏が、2025年8月18日に自身の生涯をつづった初の自伝『世界のほうがおもしろすぎた――ゴースト・イン・ザ・ブックス』を出版することが決定しました。本書は、松岡氏の一周忌に合わせて出されるものであり、彼の考え方や人生の歩みを知る上で貴重な一冊となることでしょう。
編集者としてのアイデンティティ
約十数時間にわたる生前のインタビューを基に、松岡氏は生涯一編集者として自らの生活や思想をつづります。「遅ればせ」という意義についての考察が特に興味深いです。一般には才能やコミュニケーション能力が欠けていると捉えられるこの言葉を、彼はむしろポジティブな意味に転換し、自己同一性を模索し続ける姿勢が印象的です。彼の独自の見解は、編集に対する彼の関心にも深く結びついています。
様々なレッテルを打ち破る
彼は「知の巨人」や「博覧強記」といったレッテルを嫌い、「生涯一編集者」としての道を歩みます。自伝では、理科少年としての幼少期から編集工学の開拓に至るまで、様々な経験が語られます。松岡氏のいう「粗より」という方法論や、編集を通じて彼が持ち続けた探究心は、読者に多くのインスピレーションを与えることでしょう。
自伝に込めた思い
『世界のほうがおもしろすぎた』は単なる回想録ではなく、未発表の原稿や年譜も付録として含まれる予定です。これにより松岡氏の思考の深さや文献への愛情が一層際立つことでしょう。彼がどれほど多面的な視点で世界を見つめていたのかが明らかになるのは間違いありません。
ブックフェアの開催
発売に合わせて、松岡正剛ブックフェアも開催される予定です。特定の書店にて、彼の著作が集められたこのフェアでは、彼の影響を受けた多くの読者が直接彼の作品にふれることができる貴重な機会となるでしょう。詳細については松岡正剛事務所のホームページで随時発表されるとのことです。
松岡正剛氏のプロフィール
松岡正剛は1944年に生まれ、編集工学を用いて新たな知識と問いを創造するスタイルで知られています。彼の主な著書には『知の編集工学』や『花鳥風月の科学』などがあり、彼の業績は今もなお多くの編集者や読者に影響を与え続けています。彼の生き様や思想は、これからも多くの人々に語り継がれることでしょう。
書誌情報
- - 書名:『世界のほうがおもしろすぎた――ゴースト・イン・ザ・ブックス』
- - 著者名:松岡正剛
- - 定価:2,090円(本体1,900円)
- - 判型:四六判並製
- - 発売日:2025年8月18日
- - 発行:株式会社晶文社
この自伝を通じて、松岡正剛の多様なキャリアと思想を深く理解し、彼がどれほど魅力的な人物であったのかを再確認することができるでしょう。