新書『至高の近代建築』の魅力を探る
2025年2月15日、新潮新書から『至高の近代建築―明治・大正・昭和 人と建物の物語―』が発売されます。この本は、日本の近代建築の歴史を掘り下げ、その背後に隠された人々の物語を豊かな写真と共に描きだします。
近代建築の始まりとその背景
明治維新以降、西洋の建築文化を取り入れる中で、日本の建築界は急速に進化しました。特に、ジョサイア・コンドルのようなお雇い外国人の影響により、当初は模倣から始まった近代建築が、次第に独自のスタイルを確立していきます。この過程には、多くの建築家や技術者の熱意と情熱が込められています。
著者である小川格さんは、60年以上にわたり建築編集に携わってきた専門家であり、本書では特に「前期」の近代建築に焦点を当てています。彼は、建物が持つストーリーを語ることが、建築の魅力を引き出す鍵であると考えています。「建築を作る人々のドラマを知ることで、私たちはその建物に対する理解と愛着を深めることができる」と、著者は述べています。
大正モダンから昭和の奇跡
本書では、大正モダンの自由な表現や、関東大震災を乗り越えての建築復興がどのように行われたのかに触れています。著者は、名古屋市市政資料館やSEIKO HOUSE GINZAなど、多くの歴史的建物の魅力を余すところなく紹介。これらの建物は、ただの構造物ではなく、そこに集った人々の思い出や文化を伝える重要な存在です。
現存する名建築32選
本書では、神奈川県立歴史博物館、東京駅、大阪市中央公会堂など、今なお愛される32の名建築が取り上げられています。各建物の特徴や歴史が詳しく解説されており、建築ファンにはたまらないコンテンツとなっています。また、様々な角度から捉えた美しい写真が、視覚的にも楽しませてくれるでしょう。
様々な視点からのアプローチ
『至高の近代建築』は、建築の歴史を知るだけでなく、その背後にいる人々の情熱や思いを感じさせてくれる著作です。建物を訪れる際には、その構造やデザインの背後にある意図やエピソードを理解することで、さらに魅力的に感じられるはずです。
この著作は、前著『日本の近代建築ベスト50』にも通じる内容となっており、日本の近代建築に対する理解を深める一冊となるでしょう。興味深い事実や人々のストーリーを知ることで、私たちが日常的に接する建物がより意味深い存在に変わっていくことでしょう。
書籍情報
- - タイトル: 至高の近代建築―明治・大正・昭和 人と建物の物語―
- - 著者: 小川格
- - 発売日: 2025年2月15日
- - 価格: 968円(税込)
- - ISBN: 978-4-10-611078-8
この機会に日本の近代建築の深い世界を知り、新しい視点から楽しんでみてはいかがでしょうか。