熊谷沙羅が描く「川の図書館」の魅力
2025年8月5日、株式会社有隣堂から熊谷沙羅氏の新著『私と家族と「川の図書館」』が発売されます。この書籍では、著者自身が幼少期から現在に至るまでの過程を追い、自らの草の根活動で創り上げた「川の図書館」の意義を深く掘り下げています。
熊谷沙羅は、2020年のコロナ禍のさなか、当時13歳の若き社会活動家として、川の河川敷に「Book Swap Chofu 川の図書館」を設立しました。この活動は、ただ本を持ち寄るだけでなく、地域の人々が自由に本を交換し合う場を提供することを目的とし、瞬く間に地域住民の注目を集めました。
活動が始まった当初は、週に2回のオープンからスタートしましたが、徐々に参加者は増え、日曜日の特別な時間には本好きが集う恒例の場となっていきました。このように、地域コミュニティとしての価値が高まっていく中、著者は「本を通じた人々のサードプレイス」としての役割を果たすことに成功しました。さらに、その活動は「Book Swap Japan」へと進化し、全国的にも展開を遂げています。
本書では、サラさんは自身の成長と共に、家族との対話も交えながら「なぜ本は人をつなぎ、なぜ人々は本を求めるのか」を探求しています。この探求がどのようにして「川の図書館」を創り出す原動力と成ったのかが、詳細に語られています。その中で、サラさんは自身の最新の心境や、今後の将来に対する展望についても言及しています。
本書の内容
『私と家族と「川の図書館」』は、以下の章立てで構成されています:
1.
ディナーテーブルから生まれた「川の図書館」
2.
父・アントニオと話してみた熊谷家ヒストリー
3.
あっという間に動き出した「川の図書館」プロジェクト
4.
母・スサナと話してみたファミリールールの謎
5.
弟・大輔と話してみた家族について思うこと
6.
「川の図書館」と私現在地とこれから
それぞれの章で、家族との絆や活動を通じて得た学びが描かれています。特に「川の図書館」がどのように成長し、地域に根付いて行ったのか、またその過程で感じた喜びや葛藤が生々しく表現されています。著者の心温まるエピソードや、生き生きとした様子は、まさに青年の成長物語と呼べるでしょう。
著者プロフィール
熊谷沙羅は2006年生まれ。東京都調布市在住の社会活動家であり、ベネズエラ出身の両親のもとに生まれ育ちました。コロナ禍の中で開館した「川の図書館」は、単なる本の交換の場を超え、地域の交流の場としても多くの人に受け入れられています。今では青森から福岡に至るまで、全国に約10カ所の「Book Swap」拠点が展開されています。共有を通じた人とのつながりや、家族の協力によって成し遂げられたこの活動は、未来に向けて新たな可能性を示唆しています。
最後に
本書は「本とは何か」「本を通じた人間関係の未来」について多くの問いかけを提供する一冊です。もしあなたも本が持つ力を再認識し、コミュニティを築く素晴らしさに触れたいのであれば、ぜひ手に取ってみてください。私たちが普段の生活で見逃してしまうような「本」と人との関係の深さを再発見できることでしょう。