江戸時代の魚料理を深く知る新刊『魚食の分析』が登場

江戸時代の魚食文化を明らかにする新刊

江戸時代、冷蔵庫のない時代において、人々はどのように魚料理を楽しんでいたのか？その疑問に答える新刊『江戸時代の文献から見る魚食の分析』が2025年7月14日に発売されます。この書籍は、江戸時代の川柳や料理本を通じて、当時の食文化や魚食に対する人々の意識を解明します。

魚料理が主役の時代

現代では肉料理が食卓に並ぶことが多いですが、江戸時代の日常的な食事には魚が中心でした。特に、日本を訪れた外国人たちにも愛されていた日本の魚料理は、その魅力を知っている人が多いことでしょう。しかし、保存技術が未発達だった当時、魚の強い臭いや保存状態の懸念は、どのように克服されていたのでしょうか？

料理本と川柳による深掘り

本書では、文政5年（1822年）に出版された料理本『江戸流行料理通』や、明和2年（1765年）に発表された川柳集『誹風柳多留』を通じて、当時の高級料理や一般庶民の魚料理に対する捉え方を比較します。これにより、江戸時代の食文化が如何に洗練されていたかを感じることができるでしょう。

魚料理の背景に潜む魅力

魚料理の多様性や、特有の美味しさは、当時の人々の知恵や工夫によって生まれたものでした。この本を通じて、『美味しい、健康に良い、きめこまやかで美しい』といった日本の豊かな食文化の背後にある物語を知ることができます。飯田橋のおすすめ日本料理店「べらぼう」などでも、その魅力を味わうことができます。

著者と推薦文

本書の著者である島早里奈さんは、神戸女学院文学部および神戸大学大学院国際文化学研究科の博士課程を修了した経歴があります。専門的な視点から、当時の魚食文化を深く掘り下げています。また、辻ウェルネスクッキング近鉄あべのハルカス校の佐川進校長も、この書籍の推薦文で『美味しい日本の食文化を理解する手助けとなる一冊だ』と述べています。