天羽恵による新時代小説『誓いの簪(かんざし)』
2025年6月27日、徳間書店から天羽恵の新作時代小説『誓いの簪(かんざし)』が刊行される。彼女は第6回大藪春彦新人賞を受賞した作家であり、前作『もゆる椿』でも高く評価されている。本作は、感情深い物語と力強いメッセージが特徴の一冊だ。
物語の概要
物語は、西国から逃れてきた少女おりんの視点で描かれる。命を狙う者から身を守るため、江戸で新たな生活を始めたおりんは、錺職人を目指すお園と共に長屋で過ごすことに。お園はおりんを家族のように大切にしてくれる世話焼きな人物であり、しばしの幸せを感じさせてくれる。
しかし、この穏やかな生活も長くは続かなかった。ある日、突如としてお園に矢が飛んできたことで、物語は緊迫の展開を見せる。おりんは、あらゆる危険をかえりみず、最愛の人を守ることを決意する。彼女の心には、命を懸けて守るべき大切な人への思いが宿っている。
著者の思い
天羽恵は、自身の作品を通して幸せの定義を考えさせられると同時に、それぞれの人に幸せの形は異なるというメッセージを伝えたいと語っている。おりんが「大切な人を守ること」を自らの幸せとして信じ、覚悟を持って生きていく姿が、読者に強い感動を与える。
著者は、彼女の物語を通じて「定めを受け入れ、強く生きることの大切さ」を伝えたいと語る。おりんのひたむきな姿勢や、彼女が大切な人のために戦う姿を見守ることで、読者は彼女の感情に共感し、時に涙し、時に考えさせられることだろう。
読者の期待
本作はこれまでの時代小説とは一味違い、心が震えるストーリーが展開される。そして、主人公おりんの成長と葛藤を通じて、読者自身も人生の幸せについて考えさせられる部分が多々あるだろう。彼女の物語を通して、時代を超えた人情に触れ、考えさせられる作品に仕上がっている。
書籍情報
- - 装画:YUE
- - 著者:天羽恵
- - 定価:1980円(税込)
- - 判型:四六判並製
- - ページ数:312ページ
- - 発売日:2025年6月27日(金)
- - ISBN:978-4-19-866010-9
天羽恵の新作『誓いの簪』は、感動の余韻を持つ物語として、ぜひ手に取ってほしい作品だ。彼女が描く時代背景と人間模様は、読者に深い印象を与えることだろう。