鎖国時代を舞台にした青春ミステリー
講談社児童文学新人賞の最新受賞作、『てまりのナゾほどき帳 出島と秘密の紅い石』が、2025年7月17日に発売されます。著者は福岡在住の荒川衣歩さんで、児童文学の新星として注目を集めています。
受賞作品の背景と魅力
この作品は、江戸時代の長崎を舞台に、13歳の裁縫が得意な少女・てまりとその友人たちが、ある不思議な出来事をきっかけに冒険に繰り出す物語です。物語の鍵を握るのは、はんてんの裏に隠された「紅い石」。果たして、てまりたちはこの謎を解き明かすことができるのでしょうか。
講談社児童文学新人賞は、1959年に創設されて以来、多くの著名な作家を輩出してきた権威ある賞です。松谷みよ子や斉藤洋など、名だたる作家たちがこの賞を受賞し、児童文学の発展に寄与しています。本作は第65回受賞作の中から、522作品の応募の中で見事に選ばれた、まさに傑作です。
あらすじの魅力
物語の舞台は、未だ鎖国が続く江戸時代の長崎。物語の主人公、てまりは、父と二人三脚で古着屋を営んでいます。平穏な日常の中、ある夏の日、てまりの店に持ち込まれた季節外れのはんてん。その翌日、思いもよらない高値で売れる事態が発生します。この不気味な出来事に疑問を抱いたてまりは、再び持ち込まれたはんてんの裏を調べることにします。
その結果、見つけたのは「紅い石」。一体この石は何なのか、そして誰がどのような目的で持ち込んだのか。友人たちと共に真実を探求するてまり。そして、彼女たちの冒険は、思いがけない結末へと導かれていきます。
著者の魅力
荒川衣歩さんは、これまでも数々の賞を受賞している実力派。彼女の作品は、児童文学だけでなく大人向けのフィクションでも評価されています。特に、彼女の文章は優しくも緻密で、読者を物語の世界へと引き込む力を持っています。
彼女の作品に触れることで、読者はさまざまな感情を味わうことができ、心を癒す時間となるでしょう。今後の彼女のさらなる成長にも注目が集まります。
書誌情報
この本は、講談社から1980円(税込)で出版される予定です。ISBNは978-4-06-539844-9。イラストはじろさんが手がけており、ビジュアル的にも楽しめる一冊になっています。
2025年の発売が待ち遠しい『てまりのナゾほどき帳 出島と秘密の紅い石』。長崎の歴史と少女たちの冒険がどのように織り交ざっていくのか、ぜひ手に取ってみてください。