トランプ政権のブレーンたちを読み解く新書『アメリカの新右翼』登場

新刊紹介：『アメリカの新右翼：トランプを生み出した思想家たち』

2025年6月26日、井上弘貴教授による新著『アメリカの新右翼：トランプを生み出した思想家たち』が新潮社から発売されます。この書は、トランプ政権のブレーンたちの思想と影響を探求し、彼らがどのようにしてアメリカの政治風景に影響を与えているかを解明します。

トランプ政権の混沌を理解する

トランプ政権が発足した以来、数々の常識を覆す政策が次々と打ち出され、騒がしい政治的混乱が広がっています。しかし、これらの一見不条理な動きには深い背景が存在しています。本書では、「第三のニューライト」として知られる新右翼の思想家たちに焦点を当て、その来歴と思想を徹底的に分析します。

著者の井上氏は、アメリカ政治思想史の専門家として、特にトランプ政権の政策背後にいる思想家たちの思考プロセスを明らかにします。彼らはリベラルな価値観に対する批判を持ち続け、社会をどのように再構築しようとしているのか、一筋の道筋を示してくれるでしょう。

本書に描かれる思想家たち

井上氏の本には、さまざまな思想家が登場します。中でも注目すべきは：

- Ｒ・スペンサー - 白人ナショナリストのリーダーで「オルトライト」の創始者。
- Ｙ・ハゾニー - ナショナル・コンザバティズムを率いるシオニスト。
- Ｐ・デニーン - ヴァンス副大統領の盟友で、ポストリベラル右派の急先鋒。
- Ｅ・マスク - テクノロジーと反中主義を信奉する「右派進歩主義」の指導者。

彼らはそれぞれ異なる背景と信念を持ちながら、トランプ政権に対する影響力を持つ人物として、彼の政策形成に寄与しています。また、彼らが相互にどのように関わり合っているのかや、時には反目しているのかという複雑な関係性も、本書は描き出しています。これにより、トランプ政権の政策がどのように形成され、そしてなぜ時に矛盾をはらんでいるのかが理解できるのです。

著者の言葉

井上氏は「新しい右派はもはや古くからの右派のイメージとは異なる。彼らは古典的自由主義に懐疑的で、ナショナリズムやキリスト教的価値を強調する傾向がある」と述べています。トランプ政権が目指す方向性を理解するためには、この思想の変遷を把握することが不可欠です。

書籍の意義

本書は単にトランプ政権やその思想家たちを理解するための資料ではありません。現在進行形のアメリカ政治を理解する上で必要な視点を提供してくれる貴重な一冊です。今後の政治の行く末を占うためにも、この本は必携とも言えるでしょう。

井上弘貴氏の新刊『アメリカの新右翼：トランプを生み出した思想家たち』、ぜひ手に取り、その内容を確かめてみてください。アメリカ政治の新しい側面に出会えるかもしれません。