奥山景布子の新作長篇『紫の鯉』が遂に登場!
2023年10月31日、徳間書店より奥山景布子氏の最新作『紫の鯉』が発売されます。本作は、明治から昭和にかけての激動の時代を生き抜いた新橋芸者・お鯉を主人公にした長篇小説であり、政治や芸能の世界における波乱に富んだ人生を描いています。
お鯉の人生と背景
主人公のお鯉は、東京一の名妓(みこ)と称され、大物政治家や歌舞伎俳優たちから特別な愛情を寄せられていました。在籍していた梨園、角界、花柳界は、彼女の華麗なる人生の舞台であり、彼女はその中で成功を収めながらも多くの苦難に直面してきました。
この物語は、日露戦争の真っただ中に設定されており、お鯉は山縣有朋の策略で当時の首相・桂太郎の妾となるという激しい宿命を背負うことになります。お鯉は病気の本妻の代わりに桂を支え続けるものの、世間からは厳しい目が向けられ、彼女の苦悩は増していきます。
加えて、物語の中では日比谷焼討事件が発生し、桂との隠された二人の娘の存在も明らかになります。このような予想もしない展開が、お鯉の人生をさらに複雑にし、彼女をさらなる困難へと導いていくのです。
著者・奥山景布子の想い
奥山氏は、作品の中でお鯉の言葉をリアルに蘇らせ、自らの心の内を探りたいという強い意志を持っていたと語ります。「私は首相の愛人でした」と公言する女性の姿、そして、それをどう受け止める社会の視線が互いに交錯する様子が、物語メインのテーマとなります。彼女の揺れ動く心情を通じて、当時の社会と女性の立場について深く考えさせられます。
書誌情報
- - タイトル:紫の鯉
- - 著者:奥山景布子
- - 定価:2,090円(税込)
- - 判型:四六判並製
- - ページ数:368ページ
- - 発売日:2025年10月31日(金)
- - ISBN:978-4-19-866073-4
本書には、特別に序章が公開されているページも用意されています。興味のある方はぜひアクセスして、物語の雰囲気を一足早く味わってみてください。
総括
『紫の鯉』は、ただの歴史小説ではなく、女性の力強さと葛藤を描いた作品です。読者は、お鯉を通じて人間の感情の深さや、社会における女性の立場、そして愛の形について考える機会を得ることでしょう。令和の時代に再び浮かび上がるお鯉の物語をご期待ください。