新しい試み『バイスタンダーvoices』のスタート
2025年11月9日、全国的に注目される日として「119の日」に、市民が救命現場で行動した後の心情に焦点を当てた新たな番組『バイスタンダーvoices』が始まります。この番組では、実際に救命活動に参加したバイスタンダーの声を届け、彼らの経験とその後の心のケアについて深く掘り下げていきます。
救命現場に居合わせた市民の声
救命現場での勇気ある行動は非常に重要ですが、それに続く心の負担は想像以上です。多くのバイスタンダーが「もっと適切に対応できたはず」という自責の念を抱え、その声が社会に届くことは少なく、孤独感を強める要因となっていました。特に、どのように行動したか、どんな結果となったかによって、彼らの心の負担は一層増してしまうのです。
NPOの取り組み
このような状況を改善すべく、NPO法人AQUAkids safety projectの救命事業部は、2024年からバイスタンダーサポートサイトを開設し、当事者が気軽に相談できる環境を提供しています。役立てられた相談を通じて、多くのバイスタンダーが「同じような経験をした人の話を聞きたい」と願っていることが分かりました。これを受けて、番組制作が決定されたのです。
番組の目的と社会的意義
『バイスタンダーvoices』はただの番組ではなく、バイスタンダーの心情を可視化し、孤立感を和らげるための大きな役割を果たします。具体的な目的は以下の通りです:
- - バイスタンダー自身が他の体験者の声を聞くことで、自分だけではないという安心感を持つこと。
- - バイスタンダーの家族や知人が、その心情を理解し、寄り添う手助けをすること。
- - 救命にかかわる専門家が、バイスタンダーが抱える心的負担を理解し、支援体制を見直す材料にすること。
この番組は、単に救命活動を称賛するのみならず、支える文化の創造を目指します。命を救う行動をした人たちが、その後どのように心のケアを受けられるのかを考えることが、社会全体で大切な課題となるのです。
参加者の声
番組に参加したバイスタンダーたちからは、次のようなコメントが寄せられています。ながのさんは、「救命現場に遭遇した後に不安を感じるのは自然なことです。この番組を通して、少しでも心が軽くなることを願っています」と語ります。また、さとうさん(仮名)は「モヤモヤを抱え込まず、誰かに話すことが重要です。この番組やサポートサイトでの相談を勧めます」と呼びかけました。
放送概要
- - 番組名:『バイスタンダーvoices』
- - 配信媒体:stand.fm
- - 公開日:2025年11月9日
専門家からのメッセージ
NPO法人の代表は「Not alone」という言葉で、バイスタンダーの不安を軽減することの重要性を強調しました。彼らが“同じ気持ちを抱えている人がいるんだ”と感じることで、心が軽くなる場を提供したいと語っています。
今後の展望
この取り組みを通じて、救命活動に際し迷っている人が増えることを期待しています。心のサポートが充実することで、より多くの人が救命活動に参加する意欲を持てるようになり、結果的に救命率の向上が図れることを願っています。
お問い合わせ
本番組に関する詳細や相談は、NPO法人AQUAkids safety projectのバイスタンダーサポートサイトへお問い合わせください。