『システム・クラッシュ』が星雲賞を受賞！ヒット作の新たな快挙とは

『システム・クラッシュ』が星雲賞を受賞！

先日発表された第56回星雲賞で、マーサ・ウェルズの『システム・クラッシュ』が海外長編部門において受賞を果たしました。この作品は、著者の人気シリーズ「マーダーボット・ダイアリー」の第4作であり、すでに数々の賞を受賞していることからも、その人気の高さが伺えます。

星雲賞とは？

星雲賞は日本SF大会に参加するSFファンの投票によって決まる権威ある賞で、今年で56回目を迎えます。部門は多岐にわたり、日本SF文壇の発展に大きく寄与してきた歴史を抱えています。受賞作品には、設定やキャラクターの魅力、ストーリーテリングの独自性が評価されることが多いです。

『システム・クラッシュ』の魅力

受賞した『システム・クラッシュ』では、ドラマを愛する暴走人型警備ユニット「弊機」が主役です。本作は、異星遺物の汚染事件に巻き込まれるという刺激的なストーリー展開があり、探査船ペリヘリオン号との協力を描くことで、サスペンスとアクションが織り交ぜられた内容となっています。また、この作品では冷酷な企業も絡むため、主人公はさらなる試練に直面します。

この作品は、すでにローカス賞を受賞しており、シリーズでは累計で12の賞を受賞しています。今回の星雲賞の受賞で、見事に「13冠」を達成したことになります。

マーダーボットシリーズについて

「マーダーボット・ダイアリー」シリーズは、ヒューゴー賞やネビュラ賞をはじめとする多くの権威ある賞を次々と獲得してきました。特に、本作の主人公「弊機」はそのユニークなキャラクターで多くの読者の支持を受けています。作品内での彼の成長や葛藤は、単なるエンターテインメントという枠を超え、深い人間性への問いかけをも感じさせます。

さらに、シリーズ第1作『マーダーボット・ダイアリー』は、Apple TV+にて実写ドラマとして配信されており、その人気は留まるところを知りません。ドラマ版も多くの注目を集めており、ファンからは高い評価を受けています。

著者と訳者のプロフィール

マーサ・ウェルズは1964年にテキサス州で生まれ、1993年に作家デビューを果たしました。彼女の作品はSF界で数々の賞を受賞しており、特に「マーダーボット・ダイアリー」シリーズは大ヒットを記録しています。

訳者の中原尚哉氏も、英米文学専門の学者であり、その訳書には多数の名作が含まれています。彼自身もウェルズの作品で第7回日本翻訳大賞を受賞した経歴を持ち、高い翻訳技術が評価されています。