老舗植物店の四代目が提案する新たな植物との関係性とは?
東京生花株式会社が誇る植物ブランド「REN」の代表、川原伸晃が手掛けた新刊『植物哲学──自然と人のよりよい付き合い方』が、2025年10月16日に発売予定です。この書籍は、創業100年を超える歴史を持つ老舗植物店の知恵を集結し、植物と人との新たな関係性を模索する作品です。
植物のある暮らしの再定義
RENの理念は、単なる装飾としての植物の存在を否定し、より良い生き方や思考の実践としての“植物哲学”を暮らしに取り入れることです。川原は、自身の経験と知見を活かし、植物の持つ力を通じて人々に新たな視点を提供しています。この新刊では、具体的な園芸行為に宿る哲学を、柔らかい言葉と美しい写真で表現し、読者に“感じて考える”体験を促しています。
川原は、「植物を通じて考えることは、自分と世界の関係を見直すこと」と語り、心に響くメッセージを届けます。
書籍内容の概要
本書は、「自然と人との関係性」を再定義し、持続的な関係を築くための知恵を伝えます。いけばなや盆栽から得た洞察など、自然中心主義と人間中心主義に関する深い考察がなされ、地球温暖化やSDGsに触れながら、現代人が植物との絆をどのように深めていけるかを探求しています。
いとうせいこう氏や東畑開人氏からの推奨文も話題となっており、彼らの言葉からも川原の洞察深さがうかがえます。「人為なき自然は人を癒さない」という川原の言葉は、現代社会における人と自然の関係性を考える上で刺戟に富んでいます。
展覧会「Tales of Rebirth」の開催
加えて、書籍の刊行を記念して、11月5日から11月23日まで「TIGER MOUNTAIN」で開催される展覧会「Tales of Rebirth」では、川原が選んだ11点の「リボーンプランツ」を展示・販売します。この展示では、それぞれの植物に秘められた再生の物語を通じて、植物の生命力と人間との関係の再構築を試みます。
ギャラリートークイベント
展覧会期間中、川原伸晃とWIRED前編集長の若林恵によるギャラリートークも予定されています。「なぜ人は植物に魅せられるか?」をテーマにしたこの対話は、植物の神秘性に迫る貴重な機会となるでしょう。彼らの話を通じて、植物との関係の新たな視点が生まれることが期待されます。
幅広い活動と今後の展望
川原は、2011年にグッドデザイン賞を受賞した独自のデザイン感覚と、循環型植物ケアサービス「プランツケア」の先駆者として広く知られています。これらの取り組みは、ただ植物を育てるだけでなく、人と植物との持続可能な関係を築くことに力を入れています。
詳しい情報はRENの公式ウェブサイトやInstagramを通じて得られるので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。これからの時代、植物とのより良い関係を築くきっかけに、川原の言葉や作品は大いに役立つことでしょう。