朝日新聞社、ファクトチェックに新たな取り組みを開始
株式会社朝日新聞社は、近年増加するインターネット上の偽情報や誤情報に対抗するため、新たに「ファクトチェック編集部」を設立しました。この編集部は、編集局全体が一丸となって進める取り組みを支える司令塔の役割を果たします。
以前、ファクトチェックの主な対象は公人の発言に限られていましたが、今後はインターネット上で広がる情報にまでその範囲を広げ、真実性の検証を強化していきます。民主主義の基盤である健全な言論空間の確保を目指すこの活動は、今後の報道において非常に重要な位置を占めることになるでしょう。
公正性と透明性を基礎にした実施体制
ファクトチェックの取り組みにおいては、国際的に認められた「国際ファクトチェックネットワーク(IFCN)」に基づく五つの原則が適用されます。その中には、公正性や情報源の透明性、検証方法の基準、そして誤情報の訂正に関する誠実な方針が含まれています。また、これまでの蓄積をもとにしつつも、新たに独自の判定基準を設定し、動画や音声、そして画像の真偽も検証対象に加えました。
2021年には、9段階の基準に基づくファクトチェック活動をスタートさせ、その後も約60件の情報を検証してきた朝日新聞社。今後は、この新設のファクトチェック編集部によってさらなる検証の質を高め、読者にとって有用な情報を提供していくことを約束しています。
編集長に仲村和代が就任
ファクトチェック編集部の編集長には、仲村和代が就任しました。彼女はこれまでのキャリアを通じて、メディアやSNSに関連する問題を取材しており、その知識と経験を活かしたリーダーシップが期待されます。仲村編集長は、「偽情報や誤情報が瞬時に広まる現代において、事実に基づく報道の重要性を示すことで、少しでも情報の歯止めになればと考えています」と語ります。
春日編集局長のコメント
また、経営陣からは春日芳晃ゼネラルエディター兼東京本社編集局長がコメントを寄せ、「SNS上での情報発信の自由が広がった反面、真偽が不明な情報が溢れている。このようなメディア環境において、我々報道機関が持つノウハウを駆使し、健全な言論空間形成に貢献したい」と述べています。
読者への貢献
東京都議選や参院選などに向けて、有権者が正しい情報を基に選択できるよう、今後もファクトチェックの情報が朝日新聞のデジタル版で無料公開される予定です。この活動を通じて、読者は正確な情報を手にし、信頼性の高い報道を享受できるようになります。
ファクトチェックに特化したさまざまな情報が、今後も朝日新聞社のデジタル版にて発信されていきます。多くの媒体との情報共有や協力を進め、質の高いファクトチェックを主体的に行うことで、健全な社会の実現を目指します。