美術の歴史を知るための必携書
『ART SINCE 1900図鑑 1900年以後の芸術』は、アートの発展を時系列で詳しく解説した極めて貴重な資料です。著者たちは、英語圏のアートシーンで高い評価を受ける美術史家5名。彼らの視点を通じて、20世紀以降のアートの流れを把握できるこの書籍は、2019年の発売以来、多くの読者から支持され、2025年に入って再び3刷の刊行が決定しました。
アートとその背景
この書籍は、覚えのある有名なアーティストたち、例えばピカソ、マティス、デュシャン、ポロック、さらには草間彌生やアイ・ウェイウェイなどを取り上げ、それぞれの影響を考察しています。それだけでなく、キュビスム、バウハウス、抽象表現主義、ミニマリズムといった、美術運動も詳しく紹介され、各時代の思想背景にまで言及しています。
特に印象的なのは、800点以上の作品画像をもって、視覚的にアートの変遷を追えるように工夫されている点です。視覚から得られる情報は非常に効果的で、読者がアートの流れに親しみながら学べる仕組みとなっています。
数々のコラムや座談会も充実
本書の特徴的な点は、130の年代順項目や41のコラム、そして2つの座談会が含まれていることです。これにより、読者は単にアートを学ぶだけでなく、専門家たちのリアルな議論を通じて深い理解を得ることができるのです。編集委員である美術館館長や大学教授たちの監修によって、日本における現代美術の観点も含まれています。
本書についての著者たち
各著者は、それぞれの分野で権威を誇り、多くの書籍を手がけています。ハル・フォスターはプリンストン大学教授で、ポップアートに関する重要な著作も数多く持っています。また、ロザリンド・E・クラウスはコロンビア大学教授であり、彼女の「オリジナリティと反復」といった著作もアート批評の分野に影響を与えています。
イヴ・アラン・ボワやベンジャミン・H・D・ブークロー、デイヴィッド・ジョーズリットもまた、アート理論の最前線で活躍している学者たちです。彼らの視点は、現代アートに対する理解を深める上で非常に価値があります。
教育的価値が高い一冊
『ART SINCE 1900図鑑』は、ただアートを楽しむだけではなく、教育においても大いに役立つ一冊です。美術館や学校での資料としても利用できるため、美術教育の現場でも重宝されています。また、近年ではデジタルコンテンツとしても扱われるようになり、より幅広い読者層にアプローチしています。
結論
アートを理解するための必携書『ART SINCE 1900図鑑 1900年以後の芸術』は、その圧倒的な情報量と視覚的な魅力により、アートに興味がある方々にとって欠かせない一冊となっています。新たな3刷により、さらなる読者層の拡大が期待されています。ぜひこの機会に、アートの深い世界に触れてみてはいかがでしょうか。