新たな時代の幕を開ける舞台『パワーチキン』が東京芸術劇場で上演

芸劇dance 橋本ロマンス×サエボーグ『パワーチキン』

2026年2月、東京芸術劇場のシアターイーストで上演される舞台『パワーチキン』が、今注目を集めています。これはダンス振付家の橋本ロマンスと、現代美術のアーティスト・サエボーグの初コラボレーションによる作品。

『パワーチキン』は、私たちが現在直面している食料不足をテーマに、より大きな可食部を持つために人類の手によって改造されたチキンの物語です。このチキンたちは「チキン／臆病者」とも呼ばれ、人々に自身の身体を限界まで提供することを余儀なくされている存在です。大いなる愛情と欲望が交わる中で、私たち人間は彼らに一体どれだけのものを与え続けることができるのでしょうか。

この作品では、ラテックス製の「家畜の着ぐるみ」を身に着けた多様なバックグラウンドを持つパフォーマーたちが登場します。その姿は時に優しく、また時には熱烈で、現代社会を生きる私たちに対する問いかけとして存在しています。このユニークな舞台体験を通じて、我々が抱えるユートピアとディストピアの境界線を探る旅に出るのです。

アーティストのコメント

橋本ロマンス

「この企画は、私がサエボーグさんにコラボを申し出たことから始まりました。彼のこれまでの活動や作品に共鳴しつつ、私自身の視点からマイノリティ・ポリティクスを交差させることで、多次元的な世界を拡げたいと考えています。また、音楽は昨年からの協力関係にある篠田ミルが担当し、出演者も全国から公募で集まった多彩なメンバーで構成されます。この実験的なプロジェクトから新たな「怪獣/モンスター」が生まれる瞬間を観てほしいです。」

サエボーグ

「本作では、不自由なデフォルメされた身体を有する家畜たちを通じて、私たちの社会に巣くう感情的なモンスターたちに立ち向かうという『怪獣劇』を展開したいと考えています。お客様の”群れ”を意識することで、最終的には誰がモンスターなのかという問いにたどり着くようにしたいです。この橋本ロマンスさんとのコラボレーションが、さらなるダイナミズムを生むことを期待しています。」