木と生きる2025: Discover Japanの最新号
2025年9月号の『Discover Japan(ディスカバー・ジャパン)』が8月6日に発売されました。今回の特集テーマは、「木と生きる2025」。森林が国土のほぼ70%を占める日本において、再び木に注目が集まっています。地球温暖化への対策として木材が見直され、研究開発も進む中、中高層の木造建築が普及してきました。木は、人々の心と身体に多くの良い影響を与えることが科学的にも分析されており、木を取り入れた空間の重要性がますます広がっています。
木と暮らす空間探訪
東京・谷中に位置する、明治10年に建設された登録有形文化財「花重本店」を舞台に、俳優の恒松祐里さんと大阪公立大学の建築史家、倉方俊輔教授が木造建築の魅力を探ります。老舗の生花店がカフェを併設し、地域の交流拠点として生まれ変わるリノベーションの事例を取り上げています。加えて、日本の名作木造空間の魅力についても解説しており、木造建築に関心を持つ方々にとって有益なヒントが満載です。
建築家による木との関係性
木の建築分野で名を馳せる建築家たちに対するインタビューが行われました。大阪・関西万博の象徴とも言える「大屋根リング」の設計者、藤本壮介さん、地域の風土を重視した木造建築のパイオニア、堀部安嗣さん、心地よい住宅空間づくりに特化した中村好文さんの三氏が登場します。
各建築家が手掛ける実際の作品についても紹介されており、訪れる価値がある名作が語られます。例えば、藤本さんの作品には「T house」や「陸前高田みんなの家」などがあり、堀部さんは「大山阿夫利神社茶寮」などに着手されています。中村さんも「吉田牧場『FUN』」など、木の美しさと機能性が共存する空間を体現しています。
竹中工務店の都市木造への挑戦
創業400年以上を誇る竹中工務店は、都市における木造建築のパイオニアとして知られています。耐火集成材「燃エンウッド©」を活用し、革新的な建材を通じて都市木造を促進。近年ではデザイン性に優れ、耐震機能を持つ中高層木造建築が増え、都市における木の存在感が高まっています。国産木材の積極的利用と合わせ林業の活性化にも尽力している竹中工務店の都市と木の関係性についても深く掘り下げられています。
住友林業が手掛ける持続可能な森づくり
330年以上の歴史を持つ住友林業は、国産木材とその加工技術においてリーディングカンパニーとされています。『PRIME WOOD』というオリジナル部材に焦点を当て、その調達から加工までの工程を解説。美しさと機能性を兼ね備えた住まいづくりの仕組みが明らかにされます。また、持続可能な森づくりについても特集され、豊かさと共生するための理念が紹介されています。
日本の名作木の居住空間カタログ
木を用いた居住空間は、どのように進化してきたのでしょうか? 伝統を尊重しつつ近代化も追求する木の居住空間を、時代ごとの名作建築12軒を通じて紹介しています。カテゴリーは「伝統の展開」、「和洋の融合」、「モダニズム」、「現代の再生」に分かれ、それぞれの魅力が展開されます。
Discover Japanとは
『Discover Japan(ディスカバー・ジャパン)』は、2008年に創刊された月刊誌で、日本の文化の魅力を丁寧に伝えるメディアです。日本のモノ・コト・場所・人を通じ、常に本物で上質な情報を提供しています。
詳しい情報や購読は公式サイトおよび各種SNSにてご覧いただけます。最新号の特集や次号の予告も充実しており、日本文化に興味のある方はぜひチェックしてみてください。