ジョンジン・パクがLOEWE FOUNDATION Craft Prize 2026を受賞
ロエベが発表した2026年のLOEWE FOUNDATION Craft Prizeの大賞受賞者に、韓国出身のジョンジン・パク氏の作品《Strata of Illusion》(2025)が選ばれました。この作品は、デザイン、建築、批評など多様な分野で活躍する審査員たちによって評価されました。
審査員には、建築家のフリーダ・エスコベドやパトリシア・ウルキオラ、ロエベのクリエイティブディレクターであるジャック・マッコローとラザロ・ヘルナンデスらが名を連ねています。大賞には50,000ユーロ、特別賞には5,000ユーロが贈られます。
制作過程における探索
ジョンジン・パク氏の作品は「制御」と「崩壊」のバランスを探求する内容です。色付きの磁土を塗布した数千枚の紙を積層し、焼成によって形を変えながら、最終形態に導かれます。この過程で紙が燃え尽きる様子は、自然との関わりや作品の不完全さを象徴しています。
審査員たちからは、陶芸の固定概念を打破し、革新性を持つ作品として高く評価されました。ジョンジン・パク氏のアプローチは、吹きガラスの技術や製本技術と通じるものがあり、複数のクラフトの伝統を融合させています。特に、プロセスにおける誠実さが作品の核心にあることが、審査員に深い印象を与えました。
特別賞の受賞者
また、特別賞にはババ・ツリー・マスター・ウィーバーズとアルバロ・カタラン・デ・オコンによる《Frafra Tapestry》(2024)が選ばれました。この作品はガーナの伝統を基にし、共同制作によって大規模なタペストリーが誕生しました。現代技術と伝統技法の融合が賞賛されています。
イタリア出身のグラツィアーノ・ビジンティン氏も、古代の金工技法を駆使した《Collier》(2025)で特別賞に選ばれました。彼の作品は、現代的な視覚効果を持つジュエリーとして高く評価されており、優れた技巧が光ります。
展示とファイナリスト
2026年のファイナリストたちの作品は、5月13日から6月14日までシンガポールのナショナル・ギャラリーで展示される予定です。今年は133の国から寄せられた5,100点以上の作品の中から選ばれた30名が、陶芸や木工、テキスタイルなど多様なメディウムで表現しています。主催者は、作品を通してクラフトの重要性を認識させることを目的としています。
LOEWE FOUNDATIONは、1988年に設立され、現代クラフトの革新性や芸術的価値を称える活動を行っています。ロエベの伝統と新しい視点を融合させたクラフト作品は、今後のアートシーンにも大きな影響を与えることが期待されています。
シーラ・ロエベの言葉
シーラ・ロエベ氏(LOEWE FOUNDATION プレジデント)は、「Craft Prizeを迎えることに誇りを感じる。今年のファイナリストは、過去の審査の中でも特に困難であり、クラフトの未来を豊かにする可能性を感じさせてくれる」と語っています。
最後に
これらの作品がどのように現代のクラフトに影響を及ぼすのか、今後も注視していきたいものです。ファイナリストの作品展は必見で、視覚的な美しさに加えて、深いメッセージを感じることができるでしょう。