不可能を乗り越えた青いバラ誕生の物語
昨今、多様なテーマを扱った絵本が数多く刊行される中、特に注目を集める作品が、株式会社ポプラ社から発表された『おばあちゃんのあおいバラ』です。この絵本は、画家・森みどり氏が手がけた美しい水彩画と、作家・由美村嬉々氏の温かい物語で構成されており、青いバラ「ブルーヘブン」の誕生にまつわる実話を基にしています。
絵本のストーリー
物語の主人公は、おばあちゃんです。彼女は育種家として新しいバラを育てる仕事に情熱を注いでおり、特に「青いバラ」を咲かせたいという夢を抱いています。周囲からは「それは不可能だ」と否定されながらも、おばあちゃんは決してあきらめることなく、日々バラの世話を続けます。そんなおばあちゃんの姿を見守る孫の目を通じて、夢を実現するための努力と、命を育む尊さについて語られます。
物語の中で描かれるおばあちゃんの言葉、「おばあちゃんのゆめはね、いつかあのあおいおそらのようないろのバラのはなをさかせること」の背後には、彼女の強い信念と美しいビジョンがあります。この言葉が、読者にとっての励ましとなり、夢を追う勇気を与えてくれることでしょう。
モデルとなった河本純子さん
物語の元となった実在の人物、河本純子さんは日本でも稀有な女性バラ育種家として知られています。岐阜県の河本バラ園を拠点に、40年以上にわたり独自のバラの品種改良に取り組んできました。その努力の役で、不可能とされていた「青いバラ」を品種改良だけで創り出すことに成功し、世界中で注目される存在となっています。彼女の成果は、多くの人々に夢を持ち続ける強さを教えてくれます。
絵本制作の背景
本作は、家庭での教育や感受性の育成をテーマにした作品として、多くの読者に親しまれることでしょう。由美村嬉々氏は、他にも数々の児童文学作品を手掛けており、その優れた才能が光ります。また、絵を担当した森みどり氏は、水彩画の優美さで物語を一層引き立てる役割を果たしており、特に2019年には子育て絵本大賞で優秀賞を受賞するなど、その実力は折り紙付きです。
書籍情報
『おばあちゃんのあおいバラ』の発売日は2023年6月18日で、定価は1,650円(税込)です。32ページという短い中にも、心に響くメッセージが詰まっています。書籍はポプラ社の公式サイトおよびAmazonにて購入可能です。夢に向かって努力することの大切さを伝えるこの絵本は、親子での読み聞かせにも最適です。
詳細はこちら
Amazonで購入
この作品を通じて、多くの人に「可能性」や「夢」を再認識してもらえることを願っています。