未知なる蝶との旅
2025-10-17 11:56:44

未知なる蝶を求めた冒険者の壮絶な旅が描かれた一冊

未知なる蝶との旅 - 『アゲハ蝶の白地図』



2025年10月17日、株式会社山と溪谷社より新たに文庫化される「アゲハ蝶の白地図」。この本は、会社員でありながら命がけで蝶の生態を追求した五十嵐邁氏の壮大な探検記です。その中には、吸血ヒルの襲撃や飛行機の墜落、さらには砂漠の熱波の中で繰り広げられる緊張感溢れる出来事が記されています。

藤井一至氏が推したこの本は、「夢中になるものが見つかれば、人生が楽しくなる」と語るように、読者に情熱と探求心を伝えます。五十嵐氏が世界の様々な未踏の地を訪れ、調査や採集を行った記録は、フィールドワークの素晴らしさを改めて示してくれます。

著者とその背景



五十嵐邁氏は、1924年東京に生まれ、東京大学工学部を卒業後、大成建設株式会社で働いていました。在職中も、幼少時からの夢である蝶の調査・研究を続けました。彼は、1967年より日本鱗翅学会理事を務め、1983年には蝶の幼生期についての研究で博士号を取得。その功績は、日本の蝶研究を世界の一流へと高めるものとなりました。

蝶の魔境・インドの冒険



本書は、五十嵐氏がインドで蝶を探し求めた冒険譚から始まります。インドの険しい山々では、研究活動を行う中で事故に遭い、泥水を飲むしかなかったという衝撃の体験が語られます。

ベンゲットの道・フィリピン



次に訪れるフィリピンでは、美しい新種の蝶の発見があり、その背後には日本軍の影があったことが描かれています。苦労の末に得られた発見は、読者の好奇心を一層掻き立てます。

熱砂の国・イラク



さらに、イラクへと舞台が移ります。砂漠の厳しい環境の中、「異形アゲハの谷」での発見や、イラク人との出会い、天然資源の獲得を目指す中での人間ドラマが展開されます。

エルブルツの高峰・イラン



イランにおいては、カスピ海からの風が五十嵐氏を新たな発見へと導く一方、彼を待ち受ける試練も少なくありません。イラン人とのやりとりに悩まされるシーンは、文化の違いを感じさせる瞬間です。

疫病満ちる半島・ラオス



のちに訪れるラオスでは、疫病という試練に直面しますが、そこでも自然と蝶への愛情が彼を奮い立たせます。彼が直面した困難は、ただの冒険ではなく、命がけの探索であったことを痛感させます。

遠い国・オーストラリア



また、オーストラリアでの道のりも意外に厳しいものですが、最終的には成功を収める瞬間が待っています。これが彼の探検の意義を深く意味づけています。

結論



「アゲハ蝶の白地図」は、ただの探検記にとどまらず、五十嵐邁氏の情熱と探求心が詰まった一冊です。彼の壮大な冒険は、自然の奥深さや、自らの可能性を信じることの大切さを教えてくれます。この書籍を手に取ることで、読者は未知の世界への扉を開くことができるでしょう。


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