ボルチモアの新たな音楽キャンペーン「The B-side of Baltimore」
ボルチモア市が新たに始めたキャンペーン「The B-side of Baltimore」は、同市の地域性を声に出し、市民が語りかける「本当のボルチモア」を浮き彫りにすることを目的としています。このプロジェクトは、Nick Wood Music、Visit Baltimore、そしてクリエイティブエージェンシーSPARKの共同により、音楽という手段でボルチモアのストーリーを再構築します。
このキャンペーンの核となるのは、「From the B-side」というタイトルのオリジナルアンセムです。ボルチモア出身の7名のアーティストたちが、街に存在する音やエネルギーを織り込んだこの楽曲は、ボルチモアを象徴するひとつの作品としてリリースされました。アンセムは2026年5月18日に発表され、瞬く間に都市のシンボルとなることでしょう。
プロジェクトの背景と意義
Nick Wood Musicはこれまでラグジュアリーホテルや自動車ブランドなどに向けたソニックアイデンティティ制作に関わってきましたが、今回のプロジェクトは「都市全体のサウンド」の構築という前例のない挑戦です。プロジェクトの初期段階から、関与したチームは地元アーティストの役割の重要性について一致していました。このアプローチは、アーティストがボルチモアの音とストーリーを直接的に反映し、彼ら自身が感じる「ボルチモアらしさ」を形作ることを重視しています。
Nick Woodは「音楽や音は環境に無限に存在していますが、それがデザインされることは少ない。地域性を音で設計するという試みは、私にとって大きな挑戦です。」と述べ、自らの立場を見極める必要性も強調しました。
市民の声と誇り
Visit BaltimoreのCEO、Kireem Swinton氏は「このキャンペーンは市民が自ら街のイメージを構築するきっかけになっています。ボルチモアの人々が持つ誇りが新たなストーリーを生む力となります。」と語り、地区経済の発展にも寄与するこの取り組みについて触れています。特に、「The B-side」が観光誘致への後押しとなることは、経済的な価値を高める重要な要素です。
参加アーティストとワークショップ
2025年9月16日には、プロジェクトチームは11名のボルチモア出身アーティストを招き、音楽制作ワークショップを行いました。この場で「ボルチモアらしさとは何か」を問うことにより、アーティストたちの力がプロジェクトの原動力となりました。Nick Wood MusicのプロダクションマネージャーであるAntonio Davidは「アーティストたちの誇りがこのプロジェクトの核でした。この経験は、決して忘れることのできないものです。」と振り返っています。
音を通じた地域の魅力の発信
アンセム「From the B-side」では、リードボーカルのBlack Assetsをはじめ、Chloe Smith(ピアノ)、Brandon Woody(トランペット)など、7名のアーティストが参加しました。彼らは約2週間でそれぞれのパートを完成させ、ボルチモアのさまざまな環境音を収録した音源を元に楽曲を作り上げました。
フィールドレコーディングでは、ボルチモアのシンボルであるフォート・マクヘンリーやインナーハーバーを含む多様な場所からサウンドを収集。これにより、アンセムには各エリアの雰囲気が込められ、聴く人にボルチモアを身近に感じさせる効果が期待されます。
音楽に込めた思い
最終的なトラックの編集はNick Wood Musicの音楽エディターであるAlan Mawdsleyが担当しました。「編集作業はプロジェクトそのものでした。さまざまな素材から何を選び、何を抑えるかといった細かい判断が必要でしたが、結果的には誇りに思える作品が完成しました。」と彼はコメントしています。
彼の言葉が示すように、視覚だけでなく「感じるもの」にも投資する重要性が問われる中、Nick Wood Musicは音楽を通じてボルチモアの魅力を引き出そうとしています。これからも注目が集まるこのプロジェクトが、どのように成長し続けるのか、楽しみです。