新潮社から著者・松家仁之の最新作『天使も踏むを畏れるところ』が、本日3月26日に発売されました。松家仁之は、文庫化を経てベストセラーとなったデビュー作『火山のふもとで』で広く知られる作家であり、この新作が多くの期待を集めているのも頷けます。
本作は、終戦間近の1945年を舞台に、皇居内に位置した明治宮殿の焼失から新宮殿の造営に至るまでの物語を描きます。昭和天皇の意向を受けて、新しい日本にふさわしい宮殿の必要性が認識され、多様な登場人物の視点から物語が展開されます。建築家村井俊輔を中心に、彼に関わる建設技官や皇室関係者、そしてその時代を生き抜いた人々のドラマを通じて、時代背景や人々の葛藤が生き生きと表現されています。
松家仁之は、「建築家の視点だけでは一つの大きな物語を立体的に描くことができない」と語ります。彼の狙いは、多くの立場からこの国家プロジェクトを見つめ直すこと。そうすることで、各登場人物の一言一句がどれほどの重みを持つのかを浮き彫りにし、観客を引き込む物語を作り上げています。
また、刊行を記念したトークイベントも計画されています。首都圏で行われるイベントでは、著者自身のリアルな言葉を通して、本作の背景や執筆時のエピソードを直接聴くことができる貴重な機会となるでしょう。
紀伊國屋新宿本店では、建築家の堀部安嗣氏を迎え、皇居「新宮殿」の魅力について話し合われます。さらに、ジュンク堂書店池袋本店では、名古屋大学の河西秀哉准教授に登壇いただき、皇室と日本社会の変遷について深く掘り下げる予定です。どちらのイベントも、観客にとって新たな視点を与える内容となっています。
松家仁之の新作が生み出す新たな文学の波、そしてその背後にある歴史的な文脈と人間のドラマに触れることができるこの機会は、決して逃してはいけません。発売されたばかりの『天使も踏むを畏れるところ』を手に取ることで、あなたもこの壮大な物語の一部になりましょう。