「つむぐ」始動
2025-07-04 11:52:47

被爆者の声を継承するプロジェクト「つむぐ」始動!

被爆者の声を継承するプロジェクト「つむぐ」始動!



2023年7月6日、株式会社朝日新聞社が中心となり、中国新聞社や長崎新聞社との協力のもと、全国被爆者アンケートを基にしたコンテンツ「つむぐ」が始まりました。これは被爆80年という重要な節目に、被爆者の証言を次の世代へ語り継ぐためのプロジェクトです。

アンケートの背景と実施状況



このプロジェクトは昨年ノーベル平和賞を受賞した「日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)」からの協力を得て実施されています。約10万人の被爆者の中から約1万1千人に郵送でアンケートを行い、3564人から回答を得ることができました。広島県と長崎県の新聞社がそれぞれの地域の被爆者に焦点を当て、アンケートの回収を行う役割を果たしました。

平均年齢が86歳を超える被爆者の中には、もはや自ら書くことが難しい方もおり、家族が代筆するケースが目立ちました。その回答からは、当時の状況や心身への影響が詳細に伝えられ、それを後世に伝えたいという強い思いが感じ取れます。これらは単なるデータではなく、貴重な歴史的証言であり、次世代にとって重要な資産です。

デジタルコンテンツの展開



「つむぐ」の一環として、デジタルコンテンツも展開されます。広島への原爆投下から80年を迎える「8・6」に向け、各新聞社のホームページで動画や写真を駆使したリッチコンテンツが公開される予定です。中国新聞社と長崎新聞社はそれぞれの地域の被爆者のヒューマンストーリーを掘り下げ、朝日新聞社はアンケート全体の傾向を示す内容を紹介します。これにより、被爆者の声を多角的に理解できる仕組みが整えられています。

プロジェクト開始後も、取材を受けた方々のヒューマンストーリーや、他の観点からの報道が続いていく予定です。これにより「つむぐ」は、単なる読み物にとどまらず、各自が被爆の悲劇について考えるきっかけとなることが期待されています。

現代における被爆者の証言の意義



ウクライナやパレスチナ、イランといった国々で今も争いが続く中、核兵器の脅威は現代においても無視できない問題です。80年前の惨劇を経験した被爆者の証言は、私たちにとって重みを増しています。「ヒロシマ」「ナガサキ」の被爆地が二度と生まれないようにするために、私たちに何ができるのか。このプロジェクトを通じて、その思考を深めることができることを願っています。

朝日新聞社の取り組み



朝日新聞社は被爆に関連する報道を数多く行っており、これまでの歴史の中でさまざまな特集や連載を展開してきました。過去には「原爆被害の初公開」や「核軍縮」に関する連載があり、最近では被爆60年や被爆70年に関するアンケートも行いました。これらの活動を通じて、被爆者の声を未来へとつなげる努力を続けています。本プロジェクト「つむぐ」も、その一環として位置づけられています。

このように「つむぐ」は、歴史の記録を現代に生かしつつ、未来のための貴重なコミュニケーションの場を創出しつつあります。各社の連携によって作られるコンテンツが、より多くの人々に被爆者の声を届けることを願っています。


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