新たなペンギン文学の代表作、誕生
近年注目を集めているヘイゼル・プライアの新作『ペンギンにさよならをいう方法』が、ついに日本に上陸しました。この作品は、85歳の気むずかしいおばあちゃん、ヴェロニカが主人公です。彼女はスコットランドの大きな屋敷でひとり暮らしをしながら、自分の遺産を誰に譲り渡すか頭を悩ませています。まだまだ長く生きられるとはいえ、身寄りもなく、万が一のことがあったときに自分の遺産がどのように処理されるかが心配なのです。
遺産の行き先を考える
ヴェロニカがそんな悩みを抱えている日々、彼女の趣味である動物番組を観ることで、思いもよらない結論に至ります。彼女は、絶滅の危機に瀕しているアデリーペンギンについて知り、自身の遺産をその研究機関に託すことを思いつくのです。しかし、アデリーペンギンが本当に彼女の「遺産相続人」としてふさわしいのか、彼女は自らの目で確かめることを決意し、南極への旅に出ることになります。
ヴェロニカの冒険
この旅は、ヴェロニカにとっての人生の一大イベントです。彼女は、愛するペンギンたちに会い、彼らが本当に遺産を受け取るにふさわしい存在なのかを見極めるために奮闘します。この独特なストーリーは、私たちに生きる希望や繋がりの大切さを教えてくれます。動物に対する優しさやその存在意義、そして私たちの行動が世界に与える影響を考えさせられる作品でもあります。
世界に広がる反響
『ペンギンにさよならをいう方法』は、発表されるやいなや、世界16か国以上で翻訳され、Amazonではベストセラーの座を獲得しました。また、リチャード&ジュディ・ブッククラブやBBCラジオのブッククラブにも選出されるなど、多くの読者から支持を受けています。これからの新たな文学の幕開けを感じさせる作品です。
訳者の思い
この本を日本語に訳したのは、圷香織さん。彼女は、原作の魅力を損なわぬよう丁寧に留意して翻訳に臨みました。作品が持つ温かなメッセージが読者に伝わるよう、心を込めて訳したとのことです。
まとめ
『ペンギンにさよならをいう方法』は、単なる小説を超え、心の中に深く残るテーマを投げかける作品です。ヴェロニカの旅から生まれる人間関係、選択の重要性、動物への愛情が織り交ぜられたこの物語を、ぜひ手に取ってみてください。出版は2025年9月26日、410ページのボリュームで価格は3,060円(税込)です。あなたの読書リストに追加してみてはいかがでしょうか。