宮﨑駿イメージボード全集第3弾が発売決定!
スタジオジブリが手掛ける『宮﨑駿イメージボード全集』の第3弾、『3 となりのトトロ』が、待望の2025年3月5日に発売されます。これは映画監督かつアニメーターとして名を馳せる宮﨑駿氏が描いたイメージボードの集大成であり、これまでに未発表の作品も多数収録される貴重な一冊です。出版社は岩波書店、価格は本体5,800円に別途消費税が加算されます。
宮﨑駿の創作の流れ
『となりのトトロ』は1988年に公開され、以来多くの人々に愛され続けている作品です。この映画は、宮﨔監督が「子どもたちが楽しめる物語を作りたい」という想いから生まれました。実は映画の原型となる初期のイメージボードは、1970年代後半、宮﨑監督が日本アニメーションに在籍していた頃に描かれたものです。特に「母をたずねて三千里」にも関わった経験が、今作の世界観に生かされています。当時の作品で描かれたアイデアは、以降のアニメーション制作に重要な影響を与えたのです。
その後、テレコム・アニメーションフィルムに移籍後、タイトルは「となりのミミンズク」というテレビ用作品に向けてイメージボードが作成されましたが、実際のアニメにはならなかったものの、トトロというキャラクターの原型が確立する手助けとなりました。
鈴木敏夫の提案
1984年に『風の谷のナウシカ』、1986年に『天空の城ラピュタ』と続いた後、当時『アニメージュ』の編集長であった鈴木敏夫プロデューサーが、宮﨑監督の描いたあるイメージボードに着目し、「トトロの映画をつくりましょう」と提案しました。この提案が実を結び、正式に劇場用アニメーションとして制作されることが決まります。制作は順調に進み、宮﨑監督はその独特な世界観を表現するために、多数のイメージボードを作成することになりました。
カバーを飾る特別なイラスト
今回の画集のカバーには、鈴木敏夫プロデューサーが映画化の発想を生んだ、雨のバス停を描いたイメージボードが採用されています。この1枚は、映画の原点とも言える重要な作品です。イメージボードからは、岩のような大地や空の青、そしてトトロたちの独特な表情が見事に描き出されているはずです。
本書では、全219枚のイメージボードを収録し、宮塚駿監督のアートスタイルがどのように進化してきたのかを存分に楽しむことができます。
編集者が語る戦略
編集者の徳木吉春氏は、本書の企画について「写真集のようにしたい」と語ります。キャプションは最小限に抑え、閲覧者がそのまま作品を鑑賞できる環境を整えました。また、画材やサイズといった情報だけにとどまらず、宮﨑監督が制作過程で感じた現実感を大切にしました。
さらに、株式会社スタジオジブリ出版部の額田久徳氏は「絵の質感を大切にするために、マット系の紙を使用しました。これにより、オリジナルのイメージボードの美しさを忠実に再現できたと考えています」と語ります。
今後の予定
そして、次なる出版予定として、2025年7月には『4 ナウシカ前史』の発売も控えています。こちらでは『風の谷のナウシカ』之前の宮﨑駿の原型やキャラクターがどのようにして生まれたのかを探ります。
『宮﨑駿イメージボード全集』は、その魅力的なイラストや制作秘話を通じて、来るべき未来の世代へと受け継がれていくことでしょう。皆様もぜひご期待ください!