ウンベルト・エーコの名作『薔薇の名前[完全版]』が特別仕様で登場
ウンベルト・エーコの名作『薔薇の名前』が、待望の完全版として12月25日頃に刊行されます。この作品は全世界で記録的な売上を誇るベストセラーであり、その魅力が再び注目を浴びる中、初回出荷分限定の特別カラー箔押しカバーが発表されました。
特別仕様の魅力
特別版のカバーは、上巻が赤、下巻が青でデザインされており、物語に深く関わる「文書館」のイラストが中央にあしらわれています。このイラストはエーコ自身が手掛けたもので、カバーには高級感を演出するために、瀟洒なホログラム箔と黒箔の二種類の箔が使用されています。
ホログラム箔は見る角度によって色味が変わる特性があり、カバーに立体感と陰影をもたらしています。さらに、文書館の図版とタイトル部分は黒箔で強調され、視覚的な重厚感を生んでいます。この特別な装丁は初回出荷版だけの貴重なアイテムですので、ぜひお早めに手に入れることをお勧めします。
特設サイトの開設
『薔薇の名前[完全版]』の特設サイトもオープンしました。これまでWEB東京創元社マガジンで紹介されてきた情報を明確に整理し、新たな読者にも分かりやすい形で提供されています。特設サイトでは、作品の概要や魅力、特別仕様のカバーに関する詳細情報などが紹介されています。さらに、購入方法などの案内もあり、ファン必見の内容となっています。
特設サイトへの訪問は、以下のリンクからどうぞ!
薔薇の名前[完全版]特設サイト
書誌情報
この完全版は、上巻が416ページ、下巻が528ページの大著で、価格はそれぞれ上巻3000円、下巻3200円(税別)。特にこの本は、単行本としての仕様で発行され、文庫版の予定は現在のところありません。そのため、コレクターやファンは特に気を付けておく必要があります。ISBNもそれぞれ用意されており、上巻は978-4-488-01693-7、下巻は978-4-488-01694-4となっています。
本書は老修道士アドソの見習修道士時代の手記から始まります。物語は、中世北イタリアの修道院での修道士連続怪死事件を軸に展開され、事件の秘密が文書館に隠されていることが語られます。ウンベルト・エーコが多彩な知識を投影し、哲学や記号学を交えた描写により、読み手を魅了する作品です。
著者について
ウンベルト・エーコ(1932年生まれ)は、北イタリアのアレッサンドリア出身。彼は記号学者、文芸評論家、哲学者、文学者として知られています。エーコはトリーノ大学で中世美学を研究した後、イタリア放送協会の文化番組に関わり、後にボローニャ大学の名誉教授となりました。主な著作には、他に『フーコーの振り子』や『プラハの墓地』などがあり、彼の作品は世界中で読まれています。
このように、ウンベルト・エーコの『薔薇の名前[完全版]』は、ただの文学作品ではなく、知識と思考の宝庫でもあります。この特別なカバーが施された本を手にすることで、読者は新たな読書体験を手に入れることができると同時に、エーコの知の世界に再び触れることができるでしょう。