法人口座審査における新たな視点を提供するホワイトペーパーの発表

法人口座審査の突破口を開く新たな視点

2025年12月5日、東京都目黒区に本社を構えるシンプルフォーム株式会社が、画期的なホワイトペーパー『入口と途上の断絶を超えて―法人口座における共通言語としての指標』を公開しました。この文書は、法人口座における審査の過程に関する新たな視点を提供し、特に開設時の審査とその後の監視活動の間に存在する課題に焦点を当てています。

課題意識と目指すもの

現在、金利の上昇によって口座獲得競争が熾烈化していますが、同時に金融犯罪の手法も進化を続けています。これに伴い、法人口座の審査においては、「入口」での「通過率を最大化せよ」と「途上」での「リスク排除の徹底」という相反する要求が浮上しています。この結果、営業、審査、リスク管理などの複数の部門間での足並みが乱れ、意思決定が歪む構造が強まっているのです。

著者は、こうした問題を解決するために、「入口と途上が別々の物差しで動いている状態」を見直し、体系的に整理する必要があるとの認識を示しています。このホワイトペーパーでは、そうした課題を克服するための新しいアプローチを提案しています。

新たな指標の活用

具体的には、各銀行が既に保有している「通過率」と「途上排除率」という二つの基本データを活用し、これを四象限にマッピングする手法を取ります。このアプローチにより、通過した判断がその後どのように評価されるかを、同じスケールで可視化できるようになるというのです。

四象限の位置に加え、象限間の移動という時系列の変化に重点を置くことで、審査ポリシーの変動やリスクの増加を、補助指標とともに読み解く方法を提案しています。この方法は、特定の指標を固定することに重きを置くのではなく、各銀行の戦略やリスク許容度、環境の変化に応じた柔軟な設計を促します。

実務への落とし込み

本書は、『公平なる審査を求めて』と題された前作の続編にあたります。前作では理念や原則が整理されましたが、本書はその理念を実務に結びつけるための具体的な「構造と言語」を提供することに焦点を当てています。このホワイトペーパーが目指すのは、入口と途上の分断に悩む金融機関や、KPIの整合性に課題を持つ企画部門、経営層に対して、部門を超えた意思決定を再構築するための実務的かつ導入しやすいフレームを提供することです。

不正排除と機会提供の両立

シンプルフォーム株式会社は、金融機関が健全な法人を市場に送り出すことを支援するために、不正の排除と機会提供を両立させる審査体制の実装に注力しています。このホワイトペーパーは、いわばそのための道筋を示したものと言えるでしょう。

最後に、このホワイトペーパーは、金融業界に携わるすべての関係者にとって価値ある情報源となることを目指しており、預金を扱うすべての金融機関にとって有意義なリソースとして、部門を超えた一貫性ある意思決定の形成を助けることを願っています。詳細は公式ウェブサイトに掲載されていますので、ぜひ一度ご覧ください。