映画の原点を探る新刊『僕たちはこうして映画監督になった8ミリ映画時代を語る』
2026年2月6日、株式会社文藝春秋から映画監督の小中和哉による新著『僕たちはこうして映画監督になった8ミリ映画時代を語る』が刊行される。この本は、日本映画を代表する監督たちが、自らの青春時代を回顧し、映画への情熱を語る貴重なインタビュー集である。
本書では、日本映画界の重要人物である石井岳龍、大林宣彦、黒沢清、庵野秀明など、名だたる監督たちが登場し、彼らの自主映画時代のエピソードや、映画製作に対する熱い思いを語る。映画監督は、ただ映画を作る人ではなく、彼らの作品にはそれぞれの人格や背景が色濃く反映されることを感じさせる。
例えば、石井岳龍監督は、自主製作映画『高校大パニック』が日活にリメイクされることになり、共同監督として呼ばれた際の心境を語る。金子修介監督は、大学時代に出会った押井守監督とのエピソードを披露し、映画作りへの情熱を共有する。犬童一心監督に至っては、キャンディーズの解散を映画に落とし込んだ理由を興味深く語る。
特に注目されるのが、庵野秀明監督のインタビューだ。「エヴァンゲリオン」シリーズや「シン・ゴジラ」などの製作秘話が語られることは少なく、彼の新たな一面を知ることができる貴重な機会となる。
また、本書に収録された特別編には、映画監督としての素質を育んだという蓮實重彦氏や、スチール写真で名を馳せた是枝裕和監督の証言も。彼は自主映画を経ずに映画監督の道を歩んだ経験を率直に語っている。
本書は、週刊文春CINEMAの連載「僕たちは8ミリ映画作家だった」に未公開部分を大幅に追加したもので、映画ファンにとって必携の一冊となるだろう。映画作りの魅力や映画監督が目指すべき姿について、それぞれ異なる視点から語られることで、読者は映画の深淵に触れることができる。
著者の小中和哉監督は、自身の映画監督としてのキャリアを振り返りながら、「デビュー作にはその監督の特質が色濃く表れている」と語る。そのため、本書を通じて彼らの若き日の情熱を追体験することができ、映画の持つ無限の可能性を改めて考えさせられることであろう。
最後に、小中和哉監督自身のプロフィールを少し紹介すると、彼は1963年に三重県で生まれ、小学生の頃から8ミリカメラを扱い、多くの自主映画を制作してきた。商業映画デビューを果たしたのは1986年で、以降も幅広いジャンルで活動している。そのため、本書は彼自身の視点から映画界についての深い洞察を提供してくれるであろう。
この新刊は、映画ファンだけでなく、映画制作を目指す若者たちにとっても、大きな指針となるような内容が詰まった一冊である。